2018年4月15日日曜日

【私のブックマーク】デジタルメディア/本/イベント

「ソーシャルメディア論」「ウェブ・マーケティング論」などを担当している佐々木裕一です。こんにちは。

今回からのトケコミ教員によるリレー連載、「私のブックマーク」のトップバッターに起用されました。この連載では学生のためになるだろうウェブサイト(アプリ)を紹介します。何回続くかはわかりませんが、あまりマニアックなところに行かない範囲で、紹介していきますのでおつき合いください。


さて、私のネット利用は多くの場合、アップルのMacBook Proでなされ、ウェブブラウザはグーグルのChromeが標準となっています。そのChromeのブックマークバーのスクリーンショットが下のとおり(詮索されても困るから画像は小さめに)。


今の時代、ブックマークというのは非常に利用頻度が高くてわざわざ検索サイト経由で行くのが面倒というものと、ブックマークしておいてたまに目に入るようにしておかないと見なくなってしまうというものに分かれるのではないでしょうか。

というわけで左の方が全般的に私の利用頻度が高いもので、一番左はグーグルカレンダー。一番右はYahoo!のアイコンですが、これは同社が一般開放をしているYahoo! Lodgeという永田町(紀尾井町)にある施設のイベントカレンダーです。ちなみにホームページはThe New York Timesで世界の動きを眺めるようにしています。


では本題。デジタルメディア/本/イベントというキーワードでウェブサイト3つ+1つを紹介します。


ウェブ電通報
https://dentsu-ho.com/

マーケティング、広告、メディア利用、デジタルテクノロジーなどを扱うサイトです。日々の事実報道は少なめで、調査結果や論考、キャンペーンプランナーの狙いなど、それに関わった人たちの分析や印象が述べられているのが特色。

背景情報も含めた文章が多いので、学生にも理解可能です。扱い範囲が広く、掘り下げるべきテーマに出会えるだろうという読みから、佐々木ゼミ(2年)では、毎週1人がこのサイトの中で興味をもった記事を、なぜその記事が面白かったのかを含めて学生に解説することにしています。


藤村厚夫 Media Disruption
https://mediadisruption.net/

電通報の上級版。デジタルメディアによる破壊/混乱(Disruption)を扱った記事のリンク集で、1週間に一度更新されます。藤村厚夫さんはスマートニュース株式会社で執行役員を務めており、トケコミ20周年記念シンポジウム(内容はこちら)でも登壇頂いた方ですが、目利き力が高いので(こういうのを本当のキュレーションというのだよ)私も非常に助かっています。

私もこういうサイトを作りたいと思っていて、近々友人の情報アーキテクトにツール選びから相談しようと思っています。


HONZ
http://honz.jp/

大学生になったのだし、あるいは新しい年度を迎えたのだし、「本でも読もうかな」と思っている学生も多いでしょう。そんなあなたには「読みたい本が、きっと見つかる!」がコンセプトのこのサイトがぴったりです。

代表者は成毛真さん。かつてマイクロソフト日本の社長でしたが、『面白い本』(2013年)なんて本も書いている、とてつもない本読みとしても知られる人です。小説と自己啓発本以外について厳選された書評が載っているので、それを参考に自分の世界を広げていくのはどうでしょうか。


(番外編)Peatix
https://peatix.com/

ブログを書いていて思い出したのですが、本とは別に人の話を聞くのも学生が自分の世界を広げていくには大事。冒頭で紹介したYahoo! Lodgeのイベントカレンダーを私が時々眺めるのも、専門バカにならずに周辺の話を聞きに行くためです。

Peatixはイベント主催者向けのチケット発券/管理のスマートフォン向けアプリとした始まりました。チケットを購入(ないしは無料で予約)するとスマホに電子チケットが現れて、それを会場で提示する機能が主でしたが、利用するイベント主催者が増えて、その情報を集めるメディアになり、一覧性のあるパソコン版も生まれました。「おすすめイベント」を見ていると面白いイベント、あるいは社会や流行を知ることができます。



以上ですが、専門がら忠告しておくと、LINEでよく会う友だちとメッセージをやりとしりているだけの学生と、さまざまな経験を重ねた学生の差は天と地ほどつきます。ということで、娯楽以外の情報も時には得て、そこから実際に動いて、すこしずつ関心の範囲を広げて行くことの大事さを特に新入生には強く忠告しておきたいです。ではハッピー・スクールライフを。



2018年4月3日火曜日

2018年度が始まりました

ついこの間,卒業生を送り出したばかりですが,コミュニケーション学部新入生221名を迎えて,2018年度が始まりました.
新入生は4月2日の入学式の前,3月30日から学生証やIDの配付,英語プレイスメントテスト受験など,新生活をスタートさせています.
今年は桜が早く,葉桜の中,新入生をサークルに勧誘する声がキャンパスに響き渡ります.




学内では2018年度の履修登録のための学習相談が行われており,初めての履修を控えた新入生が熱心に教員の話を聞いていました.大学では学生自身が科目を選び,登録します.科目には必ず履修しなくてはならない必修科目もあるので,注意して登録しなくてはなりません.先輩や友人からの情報もあると思いますが,疑問・質問がある場合は必ず担当教員に確認することをお勧めします.






履修相談担当の先生たち.午前中は余裕でしたが,午後は忙しくなるそうです.



学習を支援する学習センターなどもあるので,東経大のハードとソフトをフルに活用してください!


教職や資格取得のための講座のガイダンスなど,新年度の最初の週は慌ただしく過ぎていきます.
授業開始は4月9日(月)からです.

2018年3月29日木曜日

トケコミ送別会 2017

 2017年度で退職される先生方の送別会が行われました.



今年度は桜井哲夫先生,川井良介先生,中村理恵子先生が退職します.


桜井先生
川井先生
中村理恵子先生
送別会ではありますが,やっぱりトケコミらしい愉快な会になりました.

今後の先生方のご活躍をお祈り申し上げます.



2018年3月24日土曜日

2017年度 卒業式

2017年度の卒業式が3月23日に行われました.





二日前には雪が降りましたが,卒業式当日は快晴!
桜も咲いていました.





100周年記念館での卒業式を終えた後は,各学部に分かれて学位記授与・表彰式が行われました.コミ部の学位記授与・表彰式では,216名の卒業生が集まり,PRプロフェッショナルプログラム修了証授与,優秀卒業制作・卒業論文表彰(ラストには最優秀賞の発表も),学部長挨拶の後は,各教員からの卒業生への祝辞で締めくくりました.




2017年度の優秀卒業制作・卒業論文.



選ばれた学生は壇上で賞状と副賞を受け取りました.



教員からの一言.



卒業生の皆さん,卒業おめでとうございます.
卒業後も,いつでも遊びに来てください.







2018年3月12日月曜日

【学問のミカタ】:「完全なもの」は美しいが、




広告論、コミュニケーション戦略論、コンセプトと表現、メディアクリエイティブ ワークショップ担当の大岩です。

323日は卒業式。4年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます! この4年間で、みなさんなりの学問のミカタを発見することはできたでしょうか? 

学問のミカタ。「ミカタ」という言葉の響きの中には、いろいろなニュアンスが込められていると思います。

まずは「見方」。どのポイントから、あるいはどの角度からモノ・コトを見つめるのか、見つめ直すのか。その視点と視角ということですね。




次に「味方」。私はあなたのミカタです、の意味で使うときに「味方」と書きますが、これはどうやら「御方」の当て字のようです。ですので、通常の「味方」の使い方とは異なるとは思いますが、私は「味方」と書かれているのをみると、まさに「味わい方」、じっくりゆっくり口の中全体で味わい尽くす感じを思い浮かべてしまいます。




新米教員の私ですので、まだまだ学問のなんたるかを語れる立場にはありませんが、学問に対するスタンスには「見方」と「味(わい)方」、このふたつの要素の組み合わせがとても重要な気がしています。鋭く事象を切り取るためのトリミング力と、すべてのディテイルを万遍なく咀嚼し吟味する力。

私は長年、広告のクリエイティブ畑で仕事をしてきましたので「表現すること」のかけがえのなさは十分知っているつもりですが、同時に「表現すること」の危うさや未熟さも痛感してきました。クリエイティブの世界では「オリジナリティ」こそが全て。でも、この「オリジナリティ」というのが実に曲者でありまして、ついつい私たちはこの言葉の使い方に気をよくして、狭義な「恣意性」に陥ってしまうこともなきにしもあらず。で、それを諫めてくれるものこそが学問なのではないか。大学教員を一年体験した今、私はそんなふうに思っています。

座右の銘にしている言葉があります。敬愛するアーティスト、ブルーノ・ムナーリが「木をかこう」(これを尊敬する須賀敦子さんが訳しています)という絵本の文末に書いた次のような言葉です。

むかしの中国のえらい人が、いったそうです。
「完全なもの」は美しいが、ばかげている。
「完全なもの」をつくりあげたら、
あとはそれをこわしてしまえ、と。

ばかげている、とか、こわしてしまえ、という言葉は必要以上に強く聞こえてしまいがちですが、でもよくよく考えてみると、つくっては壊し、壊してはつくる。……人生とはその繰り返しなのかもしれませんね。常に柔軟に変化することをいとわない。そのための価値観・美意識を養い続けることこそが学問のミカタなのだと私は思います。

今年の卒業式は323日。この日は偶然にも私の誕生日でもあります。自分の誕生日にみなさんにおめでとうと言えるなんて、誕生日冥利(?)に尽きるというもの。むかしだれかにいわれたことがあるのですが、誕生日はお祝いされる日ではなく、改めてみなさんに感謝し、みなさんをお祝いする日なのだと。これも視点の切り返しのひとつだと思います。

4年生のみなさん、特にゼミ生のみなさん、一年間、ほんとうにありがとうございました。年の功で、人生の辛酸はみなさんよりはかなりたくさんなめているつもりですので、社会に出てからも「学問のミカタ」のみならず「世の中のミカタ」、なんなりと相談に来てくださいね。いつでもみなさんのミカタになりますので。

2018年3月10日土曜日

教員の著書紹介


コミ部教員の著書を紹介します。

▼2018年4月(予定)
西垣通『AI原論--神の支配と人間の自由』講談社選書メチエ

著者の一言:内容は、人工知能(AI)を、技術や経済というより思想史的にとらえたもので
す。人工知能とユダヤ=キリスト教の関係を扱っています。人文系の書物と言えるかもしれません。

▼2018年1月
小林誠 『探求の民族誌: ポリネシア・ツバルの神話と首長制の「真実」をめぐって』お茶の水書房
著者の一言:2年間におよぶツバルでの現地調査(フィールドワーク)の成果です.
私がツバル滞在中に気づいたことは,人々はただ単に伝統を継承していたわけではなく,ましてやそれを創造していたわけでもなく,本物の伝統は何かを積極的に探し求めていたことです.ツバルの人々はどうやって,本物の伝統を知ろうとしていたのだろうか.彼らの知のあり方について考えました.


 



▼2017年12月
大岩直人・下浜臨太郎『おとなのための創造力開発ドリル〜「まだないもの」を思いつく24のトレーニング』インプレス
著者の一言:世の中にクリエイティブ発想本は数多くありますが、そのほとんどは表現や伝え方のクリエイティブについて語ったものです。この本は、表現に至る手前の(あるいはその先の)モノの存在価値そのものを見つめ直すためのドリルです。メディアと表現を一体で考えられるようになるためのドリルです。







2018年2月15日木曜日

国立スポーツ科学センター見学 遠藤愛ゼミ

スポーツコーチングゼミの遠藤愛です.
まさに今,平昌オリンピックが盛り上がっていますが,私のゼミでは代表選手の強化の最前線である国立スポーツ科学センター(JISS)の施設見学に行って来ました.

JISSは,日本のトップレベルにある選手を科学的に支援する施設です.
今回は先任研究員の鈴木康弘さん,研究員の大沼勇人さんのご好意で,施設内を案内していただきました.

まずはアジア大会代表合宿中のシンクロデュエット日本代表の練習を見学しました.
ただ息を止めているだけでも苦しくなるのに,運動しながら演技をしている選手を実際に見て,シンクロというスポーツの過酷さを実感しました.
そこは,見ているこちらが緊張してしまう現場でした.

次は風洞実験棟の見学です.
例えば,スキーのジャンプの選手たちが飛距離を出すためにどの姿勢で飛ぶのが一番良いのかなど,風速を調整しながら様々な研究,開発に活用されている施設です.

風洞実験棟 1


風洞実験棟 2

体力測定室では,垂直跳びや反応時間を見る装置を使って実際に測定しました.
ゼミ生の最高記録は47cmでしたが,日本代表選手の中では70cmを超える選手もいるそうです.

垂直跳び

また,スキーのクロスカントリーやスピードスケートのフォームで持久力を計測できるトレッドミルもありました.


スピードスケート風に。。

形態測定の部屋では,空気圧を使って体脂肪率を測定するカプセル(?)や,赤外線を照射して身体を正確に計測する装置などを実際に体験しました.


空気圧で体脂肪率を測ります



身体の各部位にマーカーをポイントして赤外線を照射して計測します.



ウサイン・ボルトも測定した陸上競技トラックの実験場




酸素濃度を調整できるトレーニング室


近年,日本のオリンピックでのメダル獲得数は増加していますが,JISSに代表される科学的サポートと無縁ではないと思います.
日本の最先端のスポーツ科学とその科学が実際に日本代表の強化にどのように活用されているのかを体験できる貴重な1日となりました.

ご協力いただいた皆さま,ありがとうございました.




見学を終えて記念写真


2018年2月1日木曜日

2017 年度 優秀卒業制作・卒業論文発表会が行われました

2月1日,2017 年度 コミュニケーション学部 優秀卒業制作・卒業論文発表会が行われました.
提出された中から,優秀卒業制作・卒業制作として推薦された作品と論文です.








私は,発表もさることながら,発表後に担当教員が述べる推薦理由を聞くのが楽しみです.長い文章ではありませんが,それぞれの指導において,どんな点を評価したのか,学生と教員との間にどんなやりとりがあったのか,そして,教員への信頼と学生への想いが伝わってきます.

今日,選ばれた人も,選ばれなかった人も,作品や論文に取り組むことで何かを得たはずです.

また,来年を楽しみにしています.



(遠藤愛)

2018年1月29日月曜日

2017 年度 コミュニケーション学部 優秀卒業制作・卒業論文発表会 (2/1)

 今年度も学部の優秀卒業制作・卒業論文として、指導教員の推薦を得たものの発表会を行います。どなたでも参加できますので、ふるってご参加ください。
 この中から後日の教員投票により最優秀賞を選び、卒業式の日に発表と表彰式を行います。

【日時】2018 年 2 月 1 日(木)13:00-17:00
【場所】東京経済大学 国分寺キャンパス 6号館3階 F308 教室
【最寄駅】JR 中央線・西武国分寺線・多摩湖線 国分寺駅(徒歩 12 分)
 アクセス案内:http://www.tku.ac.jp/access/kokubunji/

【プログラム】
 1.始めの挨拶
 2.優秀卒業制作・卒業論文発表
  • ドラえもん のび太の音楽選好の心理学(制作)
  • ロックンロールの歩みと芸術(論文)
  • 企業の公式インスタグラムの情報拡散力-スターバックスを事例として-(論文)
  • 大学生におけるアルバイト意識と学習意欲との関係性(論文)
  • メディアの娯楽化:テレビニュース番組における変容とそのあり方(論文)
  • 現代のラジオ聴取について~テレビやインターネットが登場しても生き残るラジオの魅力とは~(論文)
  • だから私はタトゥーをいれる-現代日本のタトゥー事情(論文)
  • 成長を続けるテレビ通販市場(論文)
  • 結婚支援のありかた おせっかいから生まれる幸福(論文)
  • 社会心理学から考察する体感型技術がもたらすメディア概念の変容について(論文)
  • 日帰り型市民農園の利用状況にみる地域性 群馬県高崎市と東京都小金井市の事例から(論文)

 3.発表者以外の優秀卒業制作・卒業論文賞受賞作の紹介
 4.終わりの挨拶

 ※ 優秀卒業制作・卒業論文発表では途中休憩をはさみます。

過去の発表会のブログ記事は以下に: [2016年度] [2015年度] [2014年度] [2013年度] [2012年度]

2018年1月28日日曜日

桜井哲夫先生 最終講義

2018年1月22日に,コミニュケーション学部教授 桜井哲夫先生の最終講義が行われました. http://www.tku.ac.jp/news/020319.htm

「私のサブカル史より」と題された講義ではまず先生の研究史を,当時の関心とその結果としての代表的な著作の成り立ちを中心として,初期の公教育をめぐる議論から直近の一遍に関する論考まで紹介されました.

続いて「戦後漫画の原像」と題されたパートでは,2015年のご著作『廃墟の残響』(NTT出版)にもとづき,水木しげるらのような戦争や引き揚げを体験した漫画家以降,『進撃の巨人』のような現代の作品にいたるまでの戦後漫画作品に通底する破滅や廃墟のイメージに関する考察が論じられました.この著作成り立ちの背景にあった,先生ご自身の東日本大震災体験もあわせ語られています.

最後に,これまでの桜井ゼミの成果である卒業制作の各年の映像集が映写されました.あいにくの大雪の日であったこともありかなり端折りながらのダイジェストでしたが,来場した卒業生にとっても思い出深いものだったと思います.先生への花束贈呈と来場者全員による記念撮影で締めとなりました.





 


これまでブログで紹介した桜井先生の”名物講義”です.

2013年度「戦後マンガ史の試みから」
2013年度 『COM』の「ぐら・こん」から
2013年度「表現と批評2013」受講生が選ぶベスト映画
映画で「表現と批評」〜2004年—2013年 上映作品リスト
2014年度「日本マンガ論」から
「表現と批評」2004年-2014年 上映作品
2014年「表現と批評」私のベスト3
2015年度の目玉授業 2「戦後史のなかの日本マンガ」
2015年度の目玉授業 3「テレビ文化論」
2015年度「表現と批評−映画を批評する」映画投票
2016年度 追加講義「新海誠の世界」のお知らせ
2017年度【名物講義紹介:表現と批評】
2017年度【名物講義紹介:表現と批評】vol.2

桜井先生,ほんとうにお疲れさまでした.

2018年1月23日火曜日

キャリアデザイン入門:ソニー生命によるライフプランニング授業


コミュニケーション学部の小山健太です。

「キャリアデザイン入門」は学部1年生の履修必修授業です。この授業の目的は、ライフキャリアの視点から、「大学での学び」を「卒業後の仕事人生」につなげていく意識を高める授業です。

124日の授業では、ソニー生命保険株式会社にご協力いただき、『ライフプランニング授業〜30歳の自分を考えよう〜』を実施しました。

ライフプランニング授業の特徴は、家計の収入と支出についてシミュレーションしながら、お金という観点からキャリアを具体的に考えられることです。

今回は4人家族を例にシミュレーションしました。家族構成は、会社員の東経太郎さん(30歳)、専業主婦の東経花子さん(30歳)と、まなぶ君(1歳)、あかりちゃん(0歳)です。

ライフプランのいくつかの項目は、学生の意見で決めていきます。今回の設定は「教育費」は2人の子どもがともに私立大学(文系)に進学、「住まい」は戸建てを購入、「自動車」はファミリータイプを購入、「家族旅行」は毎年の国内旅行ということになりました。

そして……、シミュレーション結果は、なんと生涯で大幅な赤字に!! そこで、さまざまな見直しをしていきます。妻が仕事をしたり、旅行に行く回数を減らすと、収支を大きく改善することができました。

最後に、講師の濱﨑氏から、人生を計画することの重要性と同時に、夢を持ち続けることの大切さについてお話しいただきました。

学生の感想では、「自分の人生でやりたいことと、自分の収入をよく考えて、計画を立てることが重要だと思った。親がどれだけ自分にお金をかけてくれたのかがわかり、ありがたみを感じたし、お金の使い方を見直そうと思った」という声も。

「お金のために働く」ということでは息が詰まります。でも、お金のことを考えずにキャリアをつくれないことも事実です。お金という観点から現実的・客観的に人生を考えることで、有限な資源をもとに自分らしいキャリアをデザインできるようになります。また、学生は今回のシミュレーションを通じて、いま大学で勉強できているのはご両親の多大な努力があってのことだと、自分の置かれている状況について理解を深めていました。

今回のゲスト講義は、お金とキャリアとの関連性を学ぶだけでなく、学生の自立心を向上させ、主体的に自分のキャリアを考える必要性に気づく貴重な機会になりました。


さまざまなライフプランイベントを学生の意見をもとにシミュレーション




ソニー生命保険株式会社の濱﨑祐一氏

2018年1月20日土曜日

大学外での教員の仕事

この度,コミ部で学部長を務める柴内さんが電通総研のフェローに就任することが発表されましたMarkeZineニュース)

以下,電通ニュースリリースからの抜粋です.
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2017/1220-009417.html
株式会社電通(本社:東京都港区、社長:山本 敏博)の社内シンクタンク電通総研(所長:丸岡 吉人)は、2018年1月から「よい社会づくりに貢献するために、コミュニケーションとマーケティングの領域で安全な議論の場を提供すること」を新しいミッションとして掲げ、船出いたします。
新生「電通総研」は、客観的な正解がない現代社会の問題を解決するには、関係者が集まって状況を理解し、課題を共有した上で議論を尽くす必要があるものの、今はそのような場が不足していると考えました。 
そこで、社内メンバーおよび外部の有識者計15名を電通総研フェローとして選任し、彼らによる自由闊達な意見交換の場を設定することで、社会が抱える諸問題の解決に貢献していくことを目指します。議論の成果は、フェロー自身による情報発信や提言、実践に反映されるほか、電通総研主催のシンポジウムなどを通して公表していく予定です。

その柴内さんに内容を説明してもらいましょうではどうぞ→

柴内です。大学教員の主な仕事は教育と各自の研究、そして大学の運営ですが、関連する仕事を大学の外ですることもあります。私の場合は講師や委員など、専門でしている研究に関係し、また自分の大学、とりわけ学生の教育に役に立ちそうなものについて依頼をいただいた場合、時間が許すようならお引き受けすることにしています。

今回は、広告代理店の電通の中にある研究機関(シンクタンク)の議論に、外部から参加する依頼をお引き受けしました。

この電通総研は30年ほど前、1987年に開設された歴史ある組織です。私自身もその生み出すデータや報告書にこれまでお世話になってきました。今回は機構改革でフェロー(特別研究員、といった意味です)15人を中心とした議論を行う場とすることになり、そこに私も関わるというものです。コミュニケーションとマーケティングを通じて、どのようにしたらよい社会を作ることができるか、という大きなテーマのもと、各フェローが話題提供をしながら自由に議論していきます。私たちコミュニケーション学部のミッションに関係しているところも大いにありそうです。

コミュニケーションの世界が激変していることは、ソーシャルメディア、あるいはAI、VR、IoTといったテクノロジーの発展により日々感じられるところです。また、平行して社会自体の大きな変化にも私たちは直面しています。一例を挙げれば少子高齢化と、それにともなってもはや避けられない人口減少でしょう。これらが生み出しているさまざまな社会問題も明らかになりつつあります。企業が商品やサービスを提供するあり方も大きく変わるかもしれません。一方で、さまざまにある問題を解決しいかに社会をよくしていけるのかについて、明確な方向が見えているわけではありません。問題の解決にあたって、先のコミュニケーションテクノロジーは重要な役割を果たすでしょうが、それ自体に含まれる問題も指摘されています。

フェローの方々はそれぞれ、コミュニケーションとマーケティングの世界の第一線で活躍されています。私はといえば何とも心もとないのですが、大学を卒業して以来の研究活動の中で、インターネットの発展にともなう人々のコミュニケーション行動のありよう、あるいは最近では人間関係のあり方や格差の問題など、いわばよい社会とは何かということに関わる仕事をしてきた部分があり、それで依頼をいただいたのだと思います。

すでに議論は始まっていますが、気づきやアイディアに目を開かされることがたくさんあります。刺激も受けながら考えを深めて自分の研究活動につなげ、ひいては学生のみなさんにも最新の考察を提供するといった形で成果を還元できればと考えています。

2018年1月15日月曜日

【学問のミカタ】今を、少し遠くから眺めてみよう:自己採点中のあなたへ



こんにちは。メディア史、ジャーナリズム論担当の松永です。
センター試験が終わり一夜が明けました。受験生の皆さん、二日間お疲れさまでした。息つく間もなく、自己採点、出願、各試験の勉強が始まり、心休まらない日々をお送りかと思います。

私もかつては受験生。センターがうまくいった人はその喜びを、失敗した人はその悔しさを表に出さぬよう押し殺した(しかし、しばしば漏れてしまう)悲喜こもごもの教室で、「一人になりたい」と思いながら自己採点をした、寒い、冬の日のことを思い出します。しんしんと雪が降っていました。
センターの時期、九州ではいつも山茶花が見頃です。受験生の頃は気づかなかったけれど。

試験の点数というものは、とてもクリアです。(そして時にシビアです。)目が大きくなったり色白になったりして、ホンモノよりちょっと可愛く映るプリクラやカメラアプリとは違い、後から水増しすることはできません。結果はありのまま、数字で出てきます。まずはそれを受け入れる必要があり、皆さんはその只中にいらっしゃるというわけです。

しかし考えてみれば、現実社会の場合、この、ありのままを見る、ということがとても難しい。私たちの周りに溢れる情報は、自分自身の目で見て、耳で聞いて確認したもの(ホンモノ)よりも、メディアを介して入手するもの(プリクラ)の方が圧倒的に多いからです。週末のセンター試験「地理B」で、アニメキャラクター「ムーミン」の出身地を尋ねる問題が出題されたとネット上で話題になりました。言わずもがな、この問題を実際に試験場で目にした人はごくわずかでも、メディアで取り上げられSNSで拡散されることで「現実」となり、私たちの生きる環境を形成しているのです。

だとすれば、メディアのあり方を調べることは、私たちがどのように現実を見ているのかを知ることにもつながります。トケコミでは、メディアと社会、コミュニケーションについて、さまざまなアプローチで研究することができます。

Paul Gauguin. Where Do We Come from? What Are We? Where Are We Going?
1897-1898 © 2009 Museum of Fine Arts, Boston.

私の主たる担当科目は「現代メディア史」「比較メディア史」で、コミュニケーションの変容をメディアとの関係において講義しています。歴史に学ぶ、というと、何かしら現代に応用可能な教訓を得るものと捉えられがちですが(戦争の過ちを繰り返さない、など)、それだけではありません。私たちはどこから来て、どこへ行くのか。過去との連続性のなかで現在を理解し、未来について考える訓練もまた、重要な歴史からの学びだと思います。

昨年で創刊120周年を迎えた英字新聞the Japan Timesを研究して来た私自身、その出発点は「今」への疑問でした。なぜ日本には、「英語でJAPANを発信する」という趣旨の学習教材が(他国と比較して)多いのだろう。相互理解というより、一方的に語る「発信」に力点が置かれているような気がするし、その相手も、中身も、どこかステレオタイプ。こうしたコミュニケーション様式は、どのようにして形成されてきたのだろうと考えたとき、一つの起源として着目したのが、在留外国人に向けた「日本人による英字新聞」として1897年に発刊されたthe Japan Timesでした。

明治以来、the Japan Times記者には在留西洋人に日本を「正しく」説明したい、という理念が共有されてきたこと、それらの記事が日本人読者の教材となり、英語を使うときの規範として発展してきたことを確認しました。一方で、新聞の読者欄には「日本人」「西洋人」に留まらない多様な文化的背景を持った人々が投書し、議論を交わしていたことも発見し、英字新聞のようなメディアが、相互理解に向けたコミュニケーションの場として機能する可能性も見出しました。過去から現在を照らしてみれば、英語による発信が、古くて新しい課題であることがわかります。


193182日付 日本の作法、武道などの文化紹介記事の展示より
The Japan Times創刊120周年記念企画展「英字新聞が伝えた『日本』」日本新聞博物館 201712月)

私たちはしばしば、ある特定の枠組のなかで現実を見がちです。そしてその窮屈なものの見方に、知らずして捕らえられていることがあります。歴史に限らず、大学で学ぶ目的の一つは、その枠組を解体し、新しいものの見方を得ることにあるのではないでしょうか。学問は自由になるためにある、と私は考えます。センターで泣いた人も、笑った人も、きっとその道に通じる受験勉強を、今日からまた、頑張ってください!ご健闘をお祈りしています。