2017年3月23日木曜日

2016年度 卒業式



3月22日は卒業式でした.
コミュニケーション学部からは203名の学生が卒業しました.



卒業式当日は,100周年記念館で全体の式を執り行い,
その後,学部ごとに移動して学位記授与式と
毎年恒例の優秀卒業制作と卒業論文の表彰式を行いました.

 




 



 

 


全体での式は静かに進行しましたが,学位記授与式では友人,恩師らと語りあい,
にぎやかな雰囲気になりました.



今年度,コミ部代々の学部長であった渡辺先生,川浦先生,関沢先生も“卒業”です.

 


1週間後には新入生を迎えます.



2017年3月21日火曜日

バズった?! 「古武道の(命がけの)幾何学」-Shake Spears Dialog-Geometry of (a do-or-die) Kobudo-


過日、「わたしをメディアする 」-ワークショップ中村座 2016作品展-(2017年1⽉13⽇−18⽇)への、ご来場、ご協力ありがとうございました!
初日には、学生記者さんが取材にみえて大学ニュースになりました。深く感謝いたします。
地元、国分寺の2つのギャラリーをリンクした展覧会の報告をかねて、「作品展2016_webギャラリーを公開しました。
期間中、ギャラリー展示した作品映像をブラッシュアップしました。「古武道の幾何学」として、SNSに公開しましたが(@Facebook)、 直後からいつもと違う反応があって、びっくりしてます。世界各地から7000アクセス、180件以上のシェアがあり、今も止まりません。ブラジル、チリ、アメリカ、ロシア、イタリア、ハワイ、ラオス、フランス、英国、スペイン、ベネズエラ、アルゼンチン、香港、ドイツ、チェコスロバキア、ポーランド、スウェーデン、ノルウェイ・・・世界の人々は、めっちゃ”KOBUDO"好きなの? 「バズる」というのは、こういうことなんでしょうか。



今回、「古武道の幾何学」1、2、を公開しましたが、わたしのイチオシは、バズっている2↑ではなくて、↓の方なのです。なかなか思惑通りには、いきませんねw。



「シェイクスピアズダイアログ 古武道の(命がけの)幾何学1」
- Shake Spears Dialog-Geometry of (a do-or-die) Kobudo-
杖×刀が斬り結ぶ!初制作・公開!対戦者同士の気迫と気合いが、天を突き破るように響きます。

演武:間込 Kengome/小太刀落 Kodachiotoshi/雷打 Raiuchi/一礼 Ichirei/影の霞 Kage-Kasumi
打太刀 山口満(神道夢想流杖道 免許皆伝/全日本剣道連盟杖道 教士七段)×仕杖 矢口真知子 (全日本剣道連盟杖道 錬士七段)

「杖道(じょうどう)」は、長さ128㎝の木の杖だけを用い、真剣を封じ込める古の武道です。木をもって鋼を制するために、命がけの気迫と練り上げられた精密さを要求されます。杖の動きは、ときに身体の外にシールドを作り、また殻を外すことで斬ってくる太刀を誘い込み、相手の可能な動きを封じ、操ることによって勝利を導きます。シェイクスピアズダイアログは、杖の作る外殻の構造を可視化する試みです。杖には手元も先端もなく、杖を操る左右の役割に優劣がないので、幾何学的に単純で緻密な軌跡を描きます。形の良し悪しを見ることは、技の上達を促します。
私は、上手くなることそれ自体、形を獲得する体験を形象化したいと思うのです 。
400年前に夢想権之助が宮本武蔵を破るために創始したといわれる杖道は、一撃で真剣を叩き折り、相手の体勢だけでなく心まで崩す実践的武道です。 杖道形(かた)は、実戦から抽出された駆け引きのイディオムが網羅されています。「形は死物にあらず生き物だ」といわれ、優れた師範たちの身体をメディア(媒体)にして伝達されたアルゴリズムが、形(型)だといえます。

「シェイクスピアズダイアログ・杖×ART 」“古武道の幾何学”シリーズは、杖道の形(かた)のもつ美しさを固定する試みです。両端に光源を仕込んだ杖と、先端に光源を仕込んだ太刀を用い、軌跡を残すために動画処理などが試みられています。
もうひとつのシリーズ「シェイクスピアズダイアログ・フリー」は、杖道の野生に倣い、フリースタイルの対話が生み出す繭のような身体のひろがりを描きだします。役割を振られたメンバー同士が対話的に絡み合うワークショップから作り出されます。...more http://rieko.jp/

2017年3月10日金曜日

「マレーシアでビジネスするって、どんな感じ?」  (トケコミ4ゼミ合同海外研修報告その1)

「感受性豊かな時期に海外へ!」をかけ声に、2月末に、松永/中村/光岡/佐々木の4ゼミが合同でマレーシアとシンガポールへ研修に行ってきました(8日間)。

前半は、クアラルンプールにある Asia Pacific University of Technology and Innovationで午前に英語研修を受け、午後は研究テーマにしたがって街中を視察。5日目は、トケコミへのマレーシアからの留学生実家がある同国南端のジョホールバルへ移動し、ご両親からの大歓待を中華料理店で受けました。その後、陸路でシンガポールに入り、半日だけ観光をして帰国。

現代的なAPU新キャンパス

と、濃密なプログラムでしたが、学生によるマレーシアの感想は次回に譲り、今回は3日目午後に行われたクアラルンプール在住、鵜子(うのこ)幸久さんの講演、題して「マレーシアでビジネスするって、どんな感じ?」を通じて、アジアにおけるグローバル化の実態とみなさんのキャリアプラン策定へのヒントを紹介しましょう。

鵜子さんの経営する桜リクルート社はマレーシアに進出する日本企業を主な顧客とする人材紹介会社です。日本企業の進出が非常に活発になった今では、人材紹介以前のマレーシア進出のコンサルテーション業務も行っています。紹介する人材はマレーシア人。14年前の創業時にどのようにしてマレーシア人の人材データベースを構築したのかというと、それを持っている現地企業と提携し、鵜子さんは日本企業への営業機能を務めることから始めたのでした。今ではマレーシア人データベースは自社でお持ちです。

熱心に講演に耳を傾ける学生

京都出身でそれまで海外経験のなかった鵜子さんですが、いつかは海外で暮らしたいという夢は持っていました。ではなぜマレーシアなのかが疑問になりますが、ビジネスを開始するにあたり東南アジア数カ国を回った結果、マレーシアで起業するのが最も合理的と判断したからとのことでした。すなわち、親日国であり、治安も良く、物価も安い。そして英語が通じるからです。マレーシアは住んでからますます好きになった、と。

人口の減少する日本だけを相手にしていては衰退必至であるため、実に1600社もの日本企業がマレーシアに進出しています。鵜子さんの顧客には、伊勢丹、ユニクロ、無印良品、ヤマト運輸、ダイソーといった有名企業から、無名の中小企業までが名を連ねています。特に小売業では、マレーシア人大学生をリクルートして、日本店舗で研修を受けさせ、現地の店長候補として仕事に当たらせるケースも出始めているとのことでした。

クアラルンプールのユニクロ

東南アジアの人は、欧米のブランドと同様にあるいはそれ以上に日本のブランドをカッコいいと思ってくれているので日本企業にはチャンスが十分あるのです。鵜子さん曰く「名古屋に転勤するのと同じノリで、再来週からクアラルンプールに行ってくれ、と言われる時代」。

ちなみにマレーシアでの就労ビザを日本人が取得できる条件は、(1)27歳以上(IT関連だけは23歳以上)、(2)大学・短大・専門学校卒以上、(3)専門分野での5年以上の経験です。この条件を満たせば、5000リンギット以上の月給を得ることができます。

5000リンギットというのは15万円相当ですが、物価水準を考えると、日本で45万円程度をもらう暮らしはできます。6000リンギットもらえれば、さらに余裕が出てきます。つまり基礎的な英語力があれば、という条件はつきますが、日本企業からの派遣に限らず、30歳少し前から10年ほどマレーシアで働くという選択肢も日本人にはあるのです。東南アジアでの実務経験を買ってくれる日本企業もこれからは増えていくからという事情もあります。

シンガポールでは私は旧友に再会したのですが、彼も旅行ウェブメディア企業の経営者です。しかも現地から日本に住む2人のプログラマーと3人の編集スタッフ、それと60人のライターとコミュニケーションを取りながら仕事をしていました。インターネットを駆使すればこういう仕事の仕方も可能なわけです。そしてシンガポールで彼が仕事をする理由は、「子どもに英語と中国語を身につけさせたいから」でした。

マレーシアでの日々の暮らしには地元色は残ります。今回もクアラルンプールから少し郊外に出ると英語が通じなくなりました。その一方で、都市部でのビジネス面のグローバル化はいやおうなく進展しています。たとえばショッピングモールに行くと、それがクアラルンプールなのかシンガポールなのか東京なのかわからなくなります。

シンガポールのショッピングモール

そのような世の中ですから、自分のことあるいは子どものことを考えて、戦略的に生きている人は少なくはないのです。若い世代の日本人が、どうキャリアを作るか考える時には、長い時間のみならず、広い空間も意識したほうが良いよ、という時代にさしかかりつつあるのです。

そんなことを肌で感じた参加学生も少なからずいました。彼らの何人かがつぎなる行動を起こし、自分のキャリアを豊かなものにしてくれれば、研修の意義が本当に出てくるのですが、あとは諸君に期待です。

[佐々木裕一]

2017年3月3日金曜日

【学問のミカタ】#春から○○

大学は授業期間が終わり、春休み期間に入っているわけですが、3月に入ったので春休みもあと一ヶ月です。新しい年度の始まりである4月が近づいてきています。



 この時期にTwitterの検索で大学名を検索すると、「#春から○○」というハッシュタグが散見されます。○○には大学の名称が入るわけで、例えば、東経大であれば「#春から東経」とか「#春から東経大」というハッシュタグが使われているようです。

 そうしたハッシュタグは新入生をサークルに勧誘するために使われているケースも多々あるようですが、「#春から○○」というハッシュタグをつけて「フォローお願いします」と書いているアカウントもみつかります。「#春から○○」というハッシュタグを使って、同じハッシュタグを見ている人たちに対して「フォローお願いします」と言っているのは、春からの新しい環境での生活に向けて新たな関係をTwitter上で作ろうとしていることがうかがえます。

 教員がそういうことをするのは悪趣味に思われるかもしれませんが、そういったアカウントを確認してみると「大学用」「大学垢」という言葉がプロフィールに書かれている場合があります。「垢」というのは「アカウント」の略として使われているネット上の俗語のことです。つまり、大学用のアカウントを新しく開設して、そういったツイートをしているのだと思われます。そしてわざわざ「大学用」「大学垢」といったことを書いているからには、大学用とは別のアカウントもおそらく使っているのだろうと推測できます。

 こうしたアカウントの使い分けの役割の一つは、進学先である大学での関係において(または、まだよく知らない人たちに対して)見せる自分と大学以外での関係において見せる自分を分けることにあると考えられます。望ましい結果を得ることを目標として他者に与える印象をコントロールしようとすることを自己呈示(self-presentation)といいますが、大学での生活での新しい人間関係のための自己呈示がアカウントの使い分けからうかがえます。

 また、自分で伝えようとしなければ他者には知ることができないようなことを他者に話したり、見えるところに書いたりすることを自己開示(self-disclosure)といいます。一般に自己開示は他者との関係を深める有効な方法の一つであると考えられていますが、ソーシャルメディア上での自己開示はプライバシーや個人情報に関する懸念に関わります。そういった懸念とのバランスのなかで「大学用のアカウント」なるものが作られているのではないかと考えられます。



 こうした「#春から○○」での関係形成は大学入学後どうなっていくのでしょうか。このことについてちゃんと調べたことはありませんが、おそらく多くの場合は入学後の対面での人間関係にはあまりつながってはいかないだろうと予想しています。

「#春から○○」というだけあって、春になってしまえば「○○」という物理的空間のなかに入ることになります。それなりの規模の大学であれば、同学年の学生をすべて知ることは困難なくらいに人はいます。そしてそこにいる人たちが「○○」という共通性をもつことは前提となるため、入学前には前景化していた「#春から○○」は後景となり、趣味・関心であったり、サークルであったり、といった共通性のほうが人間関係をつくっていく上で前景化していくのではないかと考えられます。

 では、「#春から○○」での関係形成に何の意味もないのかといえば、そういうわけではないと思います。可能性の一つとして、新しい生活への不安の軽減が考えられるでしょう。入学後の人間関係にはつながらなかったとしても、入学前にTwitter上で自分と同じような仲間とフォローし合うことで、友人づくりへの入学前の不安をおさえることができるかもしれません。



 いろいろ書きましたが、これらのことはデータをとって検証したわけではないので、いずれも予想(仮説)に過ぎません。メディア利用行動に対する「学問のミカタ」としては、実際の利用者からデータを集めることでそうした仮説を検証する必要があります。

 それはともかくとして、「#春から○○」と書いている方々が4月から充実した生活を送れるとよいなと思いますし、「#春から東経」「#春から東経大」と書いている新入生に対しては4月からの大学生活を教員としてサポートしていければと思います。



昨年、共著で『ツイッターの心理学』という本を出しました。専門書として書いたものなので誰にでも薦められるものではありませんが、ツイッターなどのソーシャルメディアに関する「学問のミカタ」に関心のある方は手にとってみていただければと思います。

[北村 智]