2015年5月25日月曜日

Think Communications 創刊

Think Communications を創刊しました(A3判、2ページ、ほぼ季刊)。

「コミュニケーションについて考える、コミュニケーションを考える」をモットーに、学部教員のひごろの関心や研究を共有していきたいと思っています。

 創刊号は、1月に行った「トケコミトーク」を再現しました。

デジタルの際』1章担当の佐々木裕一に、西垣通と柴内康文を加えた鼎談です。焦点は、若者コミュニケーションのありよう。

トークのテーマは「22年目のウェブ......商業化、コミュニケーション様式、デバイス」。

2015年5月21日木曜日

【学問のミカタ】メディアと甲子園野球

5月の学部コラボテーマはスポーツ。

 今回は「コミュニケーション史」担当の松永が「メディアと甲子園野球」をテーマにお届けします。

 スポーツをメディアで切る
 甲子園野球と言えば?——汗、涙、感動、青春、ブラスバンド、甲子園の土、「熱闘甲子園」……。今や「夏の風物詩」ともいえる夏の高校野球は、日本で最も人気のあるスポーツ・イベントの一つです。今回は、この甲子園野球を「メディア」の視点から見てみましょう。

 高校野球100周年
 今年は甲子園野球(全国高等学校野球選手権大会)が始まってちょうど100年目にあたり、各メディアでも高校野球特集を目にするようになりました。台湾代表校の実話をもとにした映画『KANO 1931 海の向こうの甲子園』(監督:馬 志翔)も公開中です。
 野球経験のない私でも、夏の甲子園となればついつい地元・九州の高校を応援し、TVや新聞が報道する「球児たちの青春ドラマ」に注目してしまいます。
 毎年80万人以上の観客を動員し、(私のように)ふだん野球とは無縁の人々をも魅了する甲子園野球は、なぜ、どのようにして「国民的行事」になったのでしょうか。

 新聞社の経営戦略として始まった
 1915年、高校野球は『大阪朝日新聞』社(現在の『朝日新聞』社、通称『大朝(だいちょう)』)が主催する「全国野球優勝大会」として開幕しました。
 1879年に大阪で創刊された『大朝』は、まず東京に進出し、やがて全国紙へと成長してゆきます。最大のライバルは『大阪毎日新聞』(1889年創刊)、現在の『毎日新聞』でした。
 新聞もまた、購読者の獲得をめぐり、競争にさらされる「商品」です。スポーツ・イベントを主催すれば、「特ダネ」(独占報道)で他社に差をつけ、全国に『大朝』の名望を高める宣伝効果も期待できます。そこで『大朝』が目をつけたのが、当時人気スポーツとなりつつあった野球でした。高校野球は、『大朝』のイベント戦略として創設されたのです。

 甲子園人気と『大朝』の成長
『大朝』の目論見は当たりました。参加校71校で高校野球が始まった1915年、24万部だった『大朝』の発行部数は、参加校が264校に増えた1924年には69万部、634校に拡大した1931年大会では98万部に増大しています。1924年に阪神電鉄・甲子園球場が完成し、高校野球の定番会場になると、甲子園は野球の「聖地」化していきました。同年、ライバル『大毎(だいまい)』は春の選抜野球大会を始めています。

 ラジオ放送の普及が甲子園野球ファンを拡大させた
 甲子園野球人気の背景には、マス・メディアの発展がありました。
『大朝』は、号外を出して試合結果を速報し、週刊誌やグラフ雑誌を創刊して「甲子園野球」を盛んに特集していきます。最も大きな影響を与えたのは、当時誕生したばかりのラジオ放送でした。
 1927年にまず大阪で高校野球の実況中継が始まり、1928年に全国中継網が完成すると、全国のファンが同じ放送を同時に観戦できるようになりました。ラジオは、球場に行かないファン、つまり野球を「する」でも「観る」でもなく「聴く」ファンを拡大させ、甲子園野球を国民的娯楽へと成長させていくのです。その一体感は、「ラジオのあるところ至るところに今日の甲子園球場が浮かび出た」(1927年8月14日『大朝』)と表現されています。ラジオ中継は観客を減らすという阪神電鉄の懸念とは裏腹に、放送が人気になればなるほど、人々はますます甲子園球場に押し寄せました。

「スポーツ×メディア」はテーマの宝庫
 ラジオが作り出した野球観戦の「一体感」は、テレビ時代、そしてネット時代へと引き継がれています。私たちはなぜ、高校野球に感動するのか? ——甲子園野球が巨大なメディア・イベントになっていく歴史を考察することで、現代社会の構造が見えてきます。
 私のゼミでは、「スポーツ×メディア」をテーマに卒業研究を行なっている学生も少なくありません。「日米野球のメディア史」「創造される“カープ女子”」など、学生自身の設定した問いにもとづいて論文執筆に励んでいます。
 身近なスポーツも、「見方」を変えれば発見に満ちている。その興奮が、ゼミ活動の醍醐味です。
「スポーツ」を深く考察したい。トケコミは、そんなみなさんの「味方」です。

 参考(おすすめ)文献
有山輝雄(1996)『甲子園野球と日本人:メディアのつくったイベント』吉川弘文館
(松永智子)

2015年5月18日月曜日

メディア制作/身体表現 「触覚的自我 ━ 目を閉じて描く絵」

【ワークショップ中村座】第2弾! 作品を含めて全公開です。http://rieko.jp/lab/?p=7505

  ワークショップは、ゲスト講師の安斎利洋さんのこんな口上ではじまりました。
 「もしも人間にはじめから視覚がなかったら、わたしたちはどんな「自己」を思い描き、そしてどんな絵を描いただろう」


眼を閉ざすことによって立ち上がる別な自分を、滑らかな白い紙と、ざらざらの黒い紙を用いて形にしていきます。

メンバーの作品と自身による作品解題(なにを表現したか?)を並べてみると、触覚を駆使して各人よく考え工夫しています。
なるほど。






2015年5月12日火曜日

清水きよしさんの公演

「身体表現ワークショップ」で、パントマイムを講じてくれる清水きよしさんが6月に公演をされます。

東京公演 vol.159/160
KAMEN
▶︎6月19日(金)
マチネ/15時半開演(15時開場)
ソワレ/19時半開演(19時開場)
▶︎上演時間75分
▶︎会場は「座・高円寺2」(設計:伊東豊雄

仮面で表情を使えない状況でのパントマイムは、いわば仮面劇。パントマイムの原点です。

2015年5月6日水曜日

トケコミ開設20周年記念の本

今年はトケコミ開設20周年を迎えます。
その記念企画の1つが本の刊行。

タイトルは『コミュニケーションという考えかた』。
その表紙が今日できあがってきました。

あや取りで作っているのは橋、架け橋です。
コミュニケーションって橋のようだと思いませんか。
被写体は、教職員の手、手、手。

《もくじ》
 まえがき 川浦康至
 I コミュニケーション学部のいま
コミュニケーションという意志 川浦康至
トケコミにトケコムということ 佐々木裕一
 II コミュニケーション学部の20年
鼎談 コミュニケーション学部の開設を巡って 田村紀雄×浜野隆典×三上卓也
コミュニケーション学部開設と総合大学化 富塚文太郎
なぜコミュニケーション学部か 田村紀雄
コミュニケーション教育とコンピュータ 安藤明之
メディア工房とコミュニケーション教育 桜井哲夫
身体表現ワークショップ 大榎 淳
ゼミにおける新たな試み 深山直子
ゼミと卒論 渡辺 潤
コミュニケーション学と地域研究 山田晴通
コミュニケーション学部と留学生 中村嗣郎
仕事は、コミュニケーションで動く 関沢英彦
コミュニケーション学部学生表彰制度 池宮正才
データから見るコミュニケーション学部生 北山 聡
 III コミュニケーション学の課題
PR・広報 猪狩誠也
コミュニケーション学と新聞学 有山輝雄
コミュニケーション研究とアメリカ 長谷川倫子
緊急時の情報生産とコミュニケーション 吉井博明
コミュニケーション学をめぐる雑感 西垣 通
国際コミュニケーションの歴史から今を見つめる 松永智子
「メディア効果研究」の今後をめぐって 柴内康文
社会調査とメディア・コミュニケーション研究 北村 智
コミュニケーションの「モノモノ」しさ 光岡寿郎
組織コミュニケーションとしての人事メカニズム 小山健太
スポーツコーチングの現場におけるコミュニケーションのあり方 遠藤 愛
アイで広がる世界とコミュニケーション 阿部弘樹
ネオリベラリズム状況下でのカルチュラル・スタディーズの課題 本橋哲也
 資料
1 コミュニケーション学部の理念、目的、教育目標
2 コミュニケーション学部の三方針
3 コミュニケーション学部教員一覧
4 コミュニケーション学部関連年表
 著者紹介
 あとがき 渡辺 潤