2015年12月18日金曜日

屹立する地方紙

   

◆左から、順に「山形新聞」11月27日、「北海道新聞」11月30日夕刊、「西日本新聞」11月27日夕刊。

 新聞と言うと、全国紙の五紙(読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日本経済新聞、産経新聞)の名前くらいは誰でも知っているだろうが、何百万部も出ている日本の全国紙(2015年、概算で、読売新聞912万部、朝日新聞680万部、毎日新聞328万部、日本経済新聞273万部、産経新聞161万部)というのは、世界的に見ても極めて特殊な存在であるということは意外に知られていない。

 ヨーロッパでも、米国でも全国で販売されている新聞は少ないし、発行部数も多くはない。ある一定の地域で発行されているのが、地方紙と呼ばれる新聞だが、海外では多くの国で地方紙のほうが発行部数は多いのである。

 たとえば、フランスで有名な新聞と言えば、「ル・モンド」とか「フィガロ」という新聞(全国紙)があるが、最大発行部数の新聞は、フランス西部(ブルターニュ地方)で出されている地方紙「ウエスト・フランス」(78万部)である。ドイツでも地方紙のほうが発行部数が多いし、世界的に名前が知られている「フランクフルター・アルゲマイネ」とか、「南ドイツ新聞」も名前からして「地方(地域)」の名前がついている。

 米国では、全国紙というと「ウォール・ストリート・ジャーナル(200万部)日本版]と「USAトゥディ(180万部)がある。しかし、世界的に有名なのは「ニューヨーク・タイムズ」とか「ワシントン・ポスト」という地方名のついた地方紙だし、各地域で圧倒的に読まれているのは地方紙のほうである。

 さて、日本には、全国紙のほかに、ブロック紙と呼ばれる領域をまたがって読まれている新聞がある。ブロック紙は、三紙北海道新聞中日新聞西日本(にしにっぽん)新聞が知られているが、中日新聞東京本社発行の「東京新聞」、宮城県(東北地方)の「河北(かほく)新報」、広島県(中国地方)の「中国新聞」もブロック紙に含める場合も多い。

 そして県ごとに出されているのが県紙である。発行エリアが一府県の全域にわたる新聞を指す。多くは第二次世界大戦下の「一県一紙」統制時に多数の新聞を統合してその県の唯一の地元紙として成立した新聞である。

 地方紙は、全国紙のように全国各地域に支社が置かれているわけではないので、全国ニュースや芸能情報、文化情報は、ニュース配信の通信社共同通信社時事通信社の配信記事を利用している。記事を利用しても記事の「見出し」や掲載方法は、それぞれの新聞が独自に行っている。そこにある意味で地方紙の独自性がうかがわれるのである。

 今回、なぜこのような話をしたかといえば、先月末から今月初めに私の執筆した「原節子・追悼」原稿が、共同通信文化部を通じて地方紙に配信され掲載されたからだ。共同通信から掲載紙がまとめて送られてきて、あらためて各紙の掲載記事を見ていて、非常に興味深かった。むろん、配信通り(「原節子が表現したもの 『一人でいる自由』貫く」)に「見出し」を使っているところ(写真左=山形新聞、同右=西日本新聞)が多いのだが、独自の「見出し」を使っている新聞があって、「なるほど」と思わされたのである。

 たとえば、「北海道新聞」の見出しは(写真中央)、「運命への『拒否』貫く 伝説の女優・原節子を悼む」となっているし、「神戸新聞」の見出しは「運命を拒否する強い意志」、「山梨日日新聞」は「運命への『拒否』を体現」、「東奥日報」は「『一人の自由』貫く 原節子さんを悼む」、「京都新聞」は「女が一人でいる自由貫く」、「信濃毎日新聞」は「『自由』貫き『伝説』に」となっている。地方紙それぞれの記者が、配信記事にも独自性を持たせようとしている意識がうかがえて、非常に面白かった。

 今や、全国紙は均質な報道ばかりで、面白みもなく独自性もないが、地方紙は、独自の立場から誇り高く屹立している感じがするこのごろである。

桜井哲夫

2015年12月16日水曜日

学部創設のころ




 16日までの1週間、進一層館でパネル展示を行いました(写真左)。「コミュニケーション学部20年のあゆみ 1995→2015」展です。

 実際には開設2年前から1995年までが展示の中心です。学部開設準備から開設までの労苦を共有したいと思ったからです。もっとも、私自身が知りたかったことが大きいのかもしれません。

 さて、その展示の一画「学部開設記念式典」の記事の脇に、S.Kさんがコメントを貼ってくれました(写真右)

「新人職員の頃、コミ部の申請業務に携わりました。和太鼓のコンサートも思い出に残っています。コミ部20周年、おめでとうございます。」

 その節はお世話になりました。あらためてお礼申し上げます。
川浦康至
 本日終了。今回の企画で、動線やパネルの配置といった展示学を学びたくなりました。念のため、と検索したら、学会まであるんですね。日本展示学会

2015年12月15日火曜日

音なき音、みえない形を音にするワークショップ

 表現と批評 「マジ(本気!)を起動するワークショップデザイン」
この講義枠はじめての、音系ワークショップです!
日時:12月17日(木曜 4限&5限)

音なき音、みえない形を音にするワークショップ
「Sonify! Audify! Musify! ―世界を感受する<私>―」

ゲスト講師:野口 桃江 さん  作曲、インスタレーション、即興パフォーマンス
http://www.momokonoguchi.com/CV
( エレクトロニクス協力 : 川端渉 / Dum6 Sen5e http://dum6sen5e.com

2015年12月9日水曜日

「場所の記憶と生きること」をめぐるノート

さて、前回のポストから2週間が経ちました。小金井アートスポットシャトー2Fを訪問した際の様子についてはここでお知らせしましたが、今回はその第2ラウンドの紹介です。

小金井で宮下さんからお話を伺ったあと、授業では自分が生活してきた空間/地域を自分や友人たちがいかに使ってきたのか、もしくはド・セルトー風に言えば流用(appropriate)してきたのかを、実際に画用紙におこしながら議論を続けてきました。この形式での実習はチャレンジングかなという不安もあったのですが、これほど学生に自分から嬉々として話してもらったという経験は初めてでした。実際には、この課題に取り組む過程で話される一つ一つのエピソードは、誰もが経験したようなテーマです。「子どもの頃遊んでいた場所」、「子どもには立ち寄り難い場所」、「家庭空間の変化」、「街並みの変容」といったように。けれども、その個々には素朴なエピソードのなかに、私たちが日々を過ごすうえで重要な気づきが含まれていました。


写真 1 福生の記憶を書き込む
写真 2 学生の発表の様子
今回は宮下さんに東経大に来て頂きました。まず、前回の論点に加えて、具体的には香港の九龍地区の集合住宅などを事例として紹介しながら、「空間の共有」という可能性を検討しました。その後、受講生が作成してきた「公/私」を軸とした空間感覚の変容が描かれた地図や間取り図に、トレーシングペーパーを使って、新たな情報を書き加えていきます(写真 1)。この過程からは、場所を通じて共有された記憶が、個人の私的な記憶に強い影響力を及ぼしていたことが分かります。例えば、福生の異なる地域で子供時代を過ごした2人の制作物とプレゼンテーションからは、米軍基地という巨大な公的空間を記憶として共有しながらも、基地からすれば些細な地理上の変化が、同じ空間に対する認識のズレを生じさせたことが分かりました。
また、残念ながら時間オーバーで最後まで発表できませんでしたが、「視覚的」に場所の記憶を書き込んでいくことで、次第に「聴覚的」な場所の記憶を取り戻す学生もいました。つまり、京王線沿いで育ったことで、彼女が街を生きる経験と電車の通過音は切り離せなくなっていたにもかかわらず、ある時期から路線が地下に潜り電車の音が消えたことで眠れなくなったと。つまり、音を通じて街の変容を感じる、サウンド・スケープ的な観点からも興味深い物語が披露されました。

この授業の後半戦では、もう一つの文化施設のサポートを受けながら授業を進めますが、この感覚が小金井の良さのような気がします。もちろん、こういった発表を促したのは、宮下さんの経験や魅力に負うところが大きいのですが、一方でアートフル・アクションというNPOであり、シャトーという場が小金井を生きるスケール感を維持しているからこそ、上述のような観点で地域と向き合えるのだろうと。この数年、特に文化や芸術は地域振興の重要なコンテンツとして議論されることが多かったのですが、そこに決定的に欠けていたのは、「日々を生きる」ことそのものなのだという点を改めて認識させられるものでした。

2015年度II期「データ調査/分析ワークショップ」は、東京経済大学の「進一層トライアル」に採用された教育プログラムです。


2015年12月1日火曜日

【学問のミカタ】サンタクロース

クリスマスといえば、サンタクロースの贈り物。子どもの頃は楽しみだったし、親になってからは子どもに何をあげようか、考えたりもした。しかし、もうずいぶん前から、そんな行事とも縁遠くなっている。わざわざケーキを食べ たりもしなくなった。むしろ、Xマス商戦を当てこんだメールやテレビのCMにうんざりすることの方が多い。

 サンタクロースは消費社会が作りだした広告マン。愉しく過ごす人たちには嫌みに聞こえるかもしれないが、これは実感としてだけでなく、歴史的にも本当の話のようだ。

 クロード・レヴィ=ストロースと中沢新一による『サンタクロースの秘密(せりか書房)という本がある。もう20年も前に出されたものだ。レヴィ=ストロースの本はそれほど読みやすいものではないのだが、ページ数も少なく、字も大きいから、読みはじめたら数時間で一気に読み終えることができる。「あー、おもしろかった」。そんな読後感を味わえた一冊で、読んだ時にはXマス・プレゼントをもらった気がした。

 1951年にフランスでサンタクロースを処刑するできごとがあったそうだ。仕掛けたのはカトリック教会で、その理由は、キリストとは何の関係もないサンタクロースに、Xマスが乗っ取られるのではという危機感だった。

 赤い服を着たサンタクロースはコカコーラが作りだしたキャラクターで、親がサンタに扮装して子どもにプレゼントをする習慣も、第二次大戦後にアメリカから入ってきたものだった。しかも、このような危機感は、生活のあらゆるレベルで多くのフランス人に共有されていて、「アメリカ化」に対する恐れや反発として取りざたされてもいた。

 Xマスはキリストの誕生を祝う教会の祭で、ローマ・カトリック教会が広めたものである。しかし、その祭のもとは、一年で一番陽の差す時間の短い「冬至」の日にヨーロッパ各地で行われていたものだという。昼間の長い季節は「生きる者の世界」。しかし、夜が長くなる季節には生命のエネルギーは衰えて、冬至の日には「死者」たちが「生の世界」に戻ってくる。だから昼間を取りもどすために「祭」をして、その死者達を迎え、慰め、礼を尽くして送りかえさなければならない。

 大事な役割をするのはどこでも子どもや若者たちだったようだ。たとえば、「鞭打ち爺さん」があらわれて悪い子どもを懲らしめて回る。あるいは子どもたちが家々を回って歌を歌ったり騒いだりして、お金や食べ物をもらう。さらには若者たちがらんちき騒ぎをし、暴れ回ることが許される日。子どもや若者が主役になったのは、彼や彼女たちが「生きる者の世界」ではまだ半人前であったからで、「冬至の祭」にはイニシエーションの儀式という意味あいもあった。

 ローマ・カトリック教会はキリスト教の布教と信仰心を強めるために、この「冬至の祭」をキリストの誕生を祝う「Xマス」に「変換」した。一説ではキリストは夏に生まれたのだというから、「死」から「生」への復活を願う気持をキリストの誕生に重ねあわせたのは、計算づくのしたたかなアイデアだったというほかはない。その重要な虎の子の伝統がアメリカからやってきた赤いサンタクロースに踏みにじられたのだから、教会の怒りや危機感は容易に察しがつくというものである。

 もっとも、サンタクロースの処刑は実際には、かえってその価値を高める結果をもたらすことになる。表向きでは「アメリカ化」に反発していた人たちも、その物質的な豊かさ、便利さ、楽しさには無意識のうちにすっかり虜になってしまっていたから、クリスマスの行事はますます派手でにぎやかなものに変質していくことになる。

 サンタクロースはクリスマスを、生と死ではなく「生きる者同士」のプレゼントの交換という形に「変換」した。死の世界を封じ込め、あるいは忘却する。「アメリカ化」が果たした最大の意味はここにあるとレヴィ=ストロースはいう。もっともそれで教会が衰退したわけではない。キリスト教も教会もまたサンタクロースを利用して、死の世界よりは生の世界に力点をおいたスタンスに「変換」したからである。

 ところで、この「サンタクロース論」はレヴィ=ストロースがまだ無名の頃に書いたもので、サルトルが注目して、自ら主幹する雑誌に掲載したものだという。「実存主義」と「構造主義」の戦いの出発点。むずかしい「構造主義」を一番簡単に理解できる論文であることとあわせて、「構造主義」を知る第一歩として勧めたい一冊である。「贈与論」を中心にした中沢新一の解説もまた、わかりやすくておもしろい。

 日本人にとってクリスマスとは何か。進駐軍が残したもので、キリスト教とは縁遠いにもかかわらず、サンタクロースもプレゼントもすっかり定着した。なぜ?などとは考えず,楽しければ無批判に受け入れる。そんな風潮は相変わらずで、最近ではハロウィンの仮装が流行りはじめている。これがケルトに起源がある収穫祭であることを知っている人は、いったいどれほどいるのだろうか。
渡辺潤

2015年11月28日土曜日

パネリストからのメッセージ


△青空のもと、きょうのキャンパスは黄色が映えます。

 さて、12/12は学部20周年記念シンポジウムの日です。

 当日、登壇される、ドミニク・チェンさん、藤村厚夫さん、荻野NAO之さんから直前メッセージをいただきました。みなさん、なかでも若い人たち(気持ちの若い人も含めて)の参加を期待されています。

ドミニク・チェンさんから
 個人と社会を媒介するコミュニケーションやメディアのテクノロジーは21世紀においてますます重要になるでしょう。そこで浮かび上がるのは、システム論的な制御の機構によって、人間の本質と行動がどれほど回収され、どの部分が人間の主体性に委ねられるのか、つまり「人間とは何か」という問題です。

藤村厚夫さんから
 多くの学生の方々とは、初めてお会いすることになります。メディアのこれからについて、長く考えてきた自分の経験を、若い皆さんと共有できるのかどうか。不安と興奮を楽しみつつ、ともに考える時間を創り出せればと思っています。
 12月12日にお目にかかりましょう。

荻野NAO之さんから
 あなたはあなたをどのくらい遊ばせられますか?
 「遊ぶ」とは『広辞苑』によれば、別天地に身を委ねること。「遊ばす」とは『字訓』によれば、神として行為すること。あなたはあなたにどんな遊びを、何にむけて遊ばせますか?どんな別天地で何を媒介に?
 当日みなさんと遊べることを楽しみにしています。

 土曜の午後、緑の東経大にいかがでしょう。

2015年11月23日月曜日

ホップ、ステップ、ジャンプ―2015年度ゼミ発表会―

ゼミ発表会実行委員長の光岡です。

1114日、3年目のコミュニケーション学部ゼミ発表会が開催されました。今年度は現在トケコミで開講されているゼミの大半が参加し、会場も2教室に分かれて開催されました。

F308会場 小山ゼミ発表の様子
僕自身F307会場の担当だったため、F308教室での発表は残念ながら見ることはできませんでした(写真をご覧ください)。ただし片方の会場だけでも、歓楽街を離れることができない同世代の女性を対象とした重厚なフィールドワークや、乳幼児のコミュニケーションの有り様を分析的に検討した研究発表に加えて、ゼミの担当教員の日常をユーモラスに描いた映像による紹介をしたゼミなど、ユニークな発表が続きました。

何より今年度は、ゼミの選択が近づいてきた数多くの1年生の参加があったのがとても嬉しい結果でした。発表会を始める段階では、教室内では立ち見が出るほどの盛況ぶり。ゼミの選択と真剣に向き合う1年生を頼もしく思うと同時に、期待に応えねばならないと気を引き締めました。


初年度は手探りで始まったトケコミのゼミ発表会ですが、ホップ、ステップを経て「ジャンプ」を遂げた3年目となりました。発表内容も年々よりユニークに、またより洗練されていますので、在校生やそのご家族だけではなく、今後トケコミの仲間になることを考えている高校生の皆さんとも会場でお目にかかれればと願っています。

2015年11月18日水曜日

ゲスト予告:東大・ワークショップ部 安斎勇樹さん


表現と批評 「マジ(本気!)を起動するワークショップデザイン」
この講義では、「ワークショップって何?」という疑問から出発し、マジ(本気!)が自然に起動する仕組みはどうやったら作れるかを追求します。
2015年後期は、めちゃくちゃ過激なスタートを切りました。

10月30日~11月3日、横浜みなとみらい地区で開催の「光」をテーマにしたアートイベント『スマートイルミネーションアワード』に出展。5日間、一般の観客にむけて、パフォーマンス+ワークショップの現場をつくりした。
さて、ここであらためて「ワークショップって何?」という問いをたててみます。

日時:11月26日(木曜 4限&5限) 
タイトル:「ワークショップの理論と実践」
ゲスト講師:安斎勇樹さん 東京大学大学院 情報学環 特任助教

東京大学大学院学際情報学府博士課程満期退学。
博士(学際情報学)。
創発的なコラボレーションを促進するワークショップの実践と評価の方法について研究している。
主な著書に『ワークショップデザイン論-創ることで学ぶ』(共著・慶応義塾大学出版会)、他。
詳しく→ http://yukianzai.com/

今回、横浜の現場を経験したメンバーにゲストのお話がどこかで響きあい、綾をなすことでしょう。
ワークショップを仕掛けるご経験も豊富な講師をお招きします。

なお、横浜での日日、たくさんの来場者、関係者に支えられました。貴重な活動の全記録、および公開制作した作品データを無事に持ち帰りました。ありがとうございました!

近々webギャラリー公開、併せて年明けには、地元国分寺のギャラリーにて作品展を予定しています!
ご期待ください!

2015年11月15日日曜日

藤村厚夫さん

12月12日の学部開設20周年記念シンポジウムに、藤村厚夫さん(スマートニュース)が登場されます。

藤村さんが、10月5日の第41回記者ゼミで「ミレニアル世代と向き合う:プラットフォームの視点」と題して報告されました。

その骨子「どう届けるかネット時代のニュース」が「日本記者クラブ会報」549号に掲載されています。今回のシンポジウムとも関連する話題ですので、お読みいただければ幸いです。

日本記者クラブ会報549号(2015年11月10日発行) 12面
記念シンポジウムの詳細と申込

ドミニク・チェンさん

12月12日の学部開設20周年記念シンポジウムに、ドミニク・チェンさんが登場されます。
WIREDに掲載されている彼の記事で最近のものをいくつかご紹介しましょう。

ドミニク・チェンが選ぶ「情報の心」をとらえるための5冊(2015.11.14)
 ビッグデータや人工知能といった情報テクノロジーを、わたしたちはどこか不自然で不可解なものと感じている。情報哲学の俊英ドミニク・チェンが選んだ、人間と情報テクノロジーが共存・調和するためのヒントがつまった5冊の「教科書」(2015年5月11日発売の雑誌『WIRED』VOL.16より転載)。

生身の人間そのものへの気付きや注意が増すように情報技術を使役すること(2015.5.21)
 いま先駆者たちの中で最も議論されるテーマに「人間性」がある。ディヴィデュアル共同創業者のドミニク・チェンは、情報技術イノヴェイションの先に、現実の世界を見つめ、感じる、生身の人間性を指向する重要性を語る。*この原稿にはいくつかの映像作品に関するネタバレが含まれています。

インターネットの未来は、「監視」から「協働」へ(2014.12.4)
 国家による国民監視の実相は、誕生から25年の節目を迎えたインターネットにとってどんな意味をもつのか。インターネット誕生以来の理想は幻想に過ぎないのか。理想を社会に実装するために、いま何が求められるのか。起業家・研究者のドミニク・チェン(株式会社ディヴィデュアル共同創業者・NPOコモンスフィア理事)による特別寄稿。
記念シンポジウムの詳細と申込


2015年11月11日水曜日

2015年度ゼミ発表会を行います

今週末、下記の要領で行います。
今年は2会場に分かれての進行です。
参加自由ですので、ぜひお越し下さい(出入り自由)。

コミュニケーション学部ゼミ発表会
 2015年11月14日(土)
 14:40-17:30
 東京経済大学6号館3階F307、F308

★第1会場 F308(司会:小山先生)
14:40 開会あいさつ
14:50 ゼミ発表(発表10分+質疑応答4分)
【池宮ゼミ】池宮ゼミ紹介
【佐々木ゼミ】打たれ強いあなたへ(なんてね)
【北村ゼミ】北村ゼミでの活動紹介と研究報告
【柴内ゼミ】柴内ゼミでの2年間の学び
【西垣ゼミ】異文化コミュニケーション:第二外国語必修化の是非について
16:05 休憩
16:20 ゼミ発表(発表10分+質疑応答4分)
【小山ゼミ】企業の組織内コミュニケーション:就職後も視野に
【駒橋ゼミ】駒橋ゼミでしかできないこと
【北山ゼミ】おいでよ北山の森:ハッピーゼミナールデザイナー
【川浦ゼミ】カワペディア
17:20 総括
17:30 閉会あいさつ

★第2会場 F307(司会:松永先生)
14:50 ゼミ発表(発表10分+質疑応答4分)
【遠藤ゼミ】遠藤ゼミの紹介
【阿部ゼミ】数理表現セミナーの紹介
【松永ゼミ】〈メディア×グローバル〉でゼミする方法
【深山ゼミ】深山ゼミの紹介
【光岡ゼミ】「クリエイティブ」な仕事って何?
16:05 休憩
16:20 ゼミ発表(発表10分+質疑応答4分)
【大榎ゼミ】Media Garden
【中村ゼミ】赤ちゃん学から考える言語
【長谷川ゼミ】TKUで英語を学ぶ
2014年度プログラム
2013年度プログラム

2015年11月9日月曜日

地域について考えること、私たちの居場所に思いをはせること

コミュニケーション学部の光岡です。

トケコミの花形授業といえば、少人数で和気あいあいと進めるワークショップ授業ですが、今年度光岡の担当している「データ調査/分析ワークショップ」では、従来の学内を中心とした学びではなく、学外の施設とも連動しながら授業を進めています。今日はその一端として、10月後半に実施した小金井アートスポットシャトー2Fでの学外レクチャーを紹介します。

私たちは日頃何気なく自分の住む町を生きていますが、実際には私たちが日々過ごす地域には、住民、行政だけではなく数多くのアクターが参加しています。そのなかで1990年代以降、重要な役割を担っているのがNPO法人です。教育、福祉、子育て支援のNPOが数としては圧倒的に多い現状ですが、東経大が隣接する小金井市には「アート」を媒介に、地域、市民との協働を図るアートフル・アクションというNPOがあります。

今回は事前学習として、小金井市自体のありよう、小金井市で活動するNPOの現況、そしてアートフル・アクションについて調査し、情報を共有したうえでシャトーを訪問しました。そこでお話を伺ったのは、その創設時からかかわっている宮下美穂さん。宮下さんからは、アートフル・アクションのこれまでの経緯とともに、アートフル・アクションを通してご自身が考えていることを、映像を交えてご紹介頂きました。

宮下さんが日々の活動のなかで大切にされているのは(そして同様に私たちも一度立ち止まって考えるべきなのは)、地域を生きるなかで私たちがどこかで自明にしている「公私の線引き」を問い直すことです。例えば、道路は行政区画上「公的」な空間のはずです。しかし、一方で私たちの多くが、道路にローセキで絵を書いたり、向かいの家の壁を使って野球の練習をしたりした経験があるのではないでしょうか?つまり、そのとき道路は私的な空間として使われているのです。いや、むしろ公的な空間が前提とされているからこそ、私的な利用が可能になっているのです。

このような地域が共有すべき/してきた場の感覚を、宮下さんは郊外の耕作放棄地や小金井市内での児童施設との協働の事例を通して紹介してくれました。そこでは、受講者である私たち自身が、子供のころから現在に至るまで、自身の身の回りの空間をいかに「公/私」の空間として線引きしてきたのかを、具体的に手で起こし、共有する作業を授業での課題として提案されました。さあ、私たちはどのような形で宮下さんにこたえることができるでしょう?実は、このさじ加減が授業を担当する光岡にとっても悩みだったりするのですが…。また、この続きは今日もトケコミで。

なお、小金井アートスポットシャトー2Fには、展覧会が開催されるギャラリースペースだけではなく、気軽に立ち寄れるカフェも併設されています。地元のひとが憩い、それぞれ新しいコミュニティを組み上げていくきっかけを提供しています。東経大の皆さんも、ぜひ遊びに行ってみてください。


2015年度II期「データ調査/分析ワークショップ」は、東京経済大学の「進一層トライアル」に採用された教育プログラムです。

2015年11月8日日曜日

一カ月後に迫りました「20周年記念シンポジウム」

コミュニケーション学部開設20周年記念シンポジウムのお誘い

 東京経済大学コミュニケーション学部は「コミュニケーション」を冠した国内初の学部として1995年に開設され、今年20周年を迎えます。これを記念して、シンポジウム『コミュニケーションの現在とこれから」を開催いたします。

 『コミュニケーションの現在とこれから』をテーマに、メディアやコミュニケーションの最前線に立たれる3人の方をお招きしてお話をうかがい、コミュニケーション学の課題と未来を探る機会にしたいと考えています。

 皆さまのご来場を心よりお待ちいたしております。

日時:2015年12月12日(土)14:00〜17:30(13:30 受付開始)
場所:大倉喜八郎 進一層館 Forward Hall(旧図書館)1階ホール
テーマ:『コミュニケーションの現在とこれから』(参加無料)
登壇者:ドミニク・チェンさん、藤村厚夫さん、荻野NAO之さん

▶︎▶︎▶︎詳細と申込

2015年11月4日水曜日

Re-Think Communications 創刊

Re-Think Communicationsを創刊しました。
その第1号は、非常勤講師で来てくれている堀正さんの力作です。
「歴史のなかのメディア:過去の叡智に耳を澄まそう」。
ここで読めます。
「Re-Think Communications」シリーズの刊行にあたって
 コミュニケーションに関する論考は常に人の目に触れるわけではありません。公刊されたものの限られた範囲でしか出回っていない論文や講演録は多数存在します。そのままでは「もったいない」、コミュニケーションを考えるうえで有用な限定刊行物を一人でも多くの人に読んでいただきたい、そう思って、本シリーズを企画しました。シリーズ名をRecycleならぬ、Re-Thinkとしたゆえんです。
 本シリーズは、コミュニケーションについて考える際の多様なヒントを与えてくれるはずです。シリーズの趣旨に賛同いただいた関係者のみなさんに、心よりお礼申し上げます。
東京経済大学コミュニケーション学部長 川浦康至


教員の新刊をネタにおしゃべりした記録は「Think Communications」です。


2015年11月3日火曜日

あらためてコミュニケーション学とは

2年前、高校生新聞のインタビューに私が答えたものです。
ふと思い出して、いまでも通用する内容かなと。
題して「いろいろな自分を経験しよう」。
そう、探すものではないのです、自分とは。
インタビューでは、社会心理学に焦点をあてながらコミュニケーション学について考えました。
川浦康至
いまごろ気づきました(笑)。プロフィール欄に「2005年より」現職とありますが、正しくは「2012年より」です。10年なんて、そんなに長くできる訳がありません。

2015年11月1日日曜日

【学問のミカタ】偶然の出会いを求めて

 からだが溶けてしまうほどの猛暑が去ると、急に寒くなってしまい、近頃は以前のような日本の四季を感じなくなったような気がします。それでも、暦には季節を感じさせる祝日があり、さまざまな行事やイベントがおこなわれています。

 秋はいろいろなことばで修飾されます。

 スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋、芸術の秋、行楽の秋など、みなさんはどのような秋を過ごすでしょうか。スポーツの秋ということで10月は運動会シーズンです。週末の朝に号砲が鳴るのを聞くと、秋だなぁと思います。

「文化の日」がある11月のテーマは「文化祭」です。

 多くの学校で文化祭がおこなわれることでしょう(ちなみに東京経済大学の大学祭は葵祭(あおいさい)と呼ばれ、今年度は10月30日から今日までです)。毎年、多くの種類の催し物があるので、足を運んでみてはいかがでしょうか。

 自分が高校生だった時は文化祭で英語劇を演じました。

 1年生の時に英語部の劇を見たのが入部したきっかけでした。そこでの先輩や後輩との交流は私の財産です。高校時代の経験では、大学の英語の授業で劇を発表する時にとても役立ちました(演劇の好きなアメリカ人の先生で、『セールスマンの死』や『欲望という名の電車』を読みました)
 思いがけない、ちょっとしたきっかけが、その後の道を左右することがあります。文化祭や大学祭に出かけて、刺激を受けてみるのも楽しいかもしれません。

 演劇の場合、人に見てもらうことが前提となります。音楽、ダンス、漫談、スポーツなども観客の存在、そしてその反応が重要です。パフォーマンスに対して、観客は拍手や歓声、声援で応えます。一般的様式とは異なりますが、ここに一種のコミュニケーションを見ることができます。パフォーマンスを楽しめたら、それを相手に示すという意思表示が見られます。そうした反応をもらえたら、演じた人はとてもうれしいことでしょう。

 大学の授業にもそれに似た面があります。講義主体の授業では学生の直接の声を聴くことがむずかしい場合もあります。そうした場合、授業の終わりに感想などを書いてもらいます(リアクションペーパーと言います)。そこで、自分の思いをことばにすることが大切で、それはリアルな対話にもつながります。

 演劇と文化祭という形で話をしたので、それをテーマにした映画とマンガを紹介して終わりにしましょう。まずは映画『櫻の園(1990年)。女子高の演劇部の話で、厳密には文化祭での上演ではなく創立記念日での上演なのですが、高校生の心の動きが描かれています。これには同名の原作があって、作者は吉田秋生さんです。若い人には映画化された『海街diary』の作者だと言ったほうがいいかもしれません。

 武富健治さんの『鈴木先生』はドラマ化・映画化されたので、ご存知の方もいることでしょう。この中では、中学校の文化祭における演劇が取り上げられています。こうした作品に寄り道して、何かを触発されるのもいいかもしれません(私自身、『鈴木先生』は学生に勧められ、その面白さを知りました)

 以上、「現代言語学」「英語学概論」担当の中村嗣郎でした。

[おまけ]
 次の中で「秋」の季語ではない語はどれでしょうか(答えは最後に)

A.1.柿  2.栗  3.梨  4.みかん  5.桃

B.1.伊勢海老  2.鮭  3.秋刀魚(サンマ)  4.ブドウ  5.マツタケ

C.1.鶯(ウグイス)  2.コスモス  3.鈴虫  4.月  5.紅葉

D.1.稲妻  2.稲刈  3.運動会  4.茶摘み  5.墓参り

[答え]
A.4.みかん 冬の季語。もはやこたつでみかんを食べる光景は少ないか。
B.1.伊勢海老 新年の季語。正月料理を豪華に飾る縁起もの。
C.1.(ウグイス) 春の季語。春の訪れを告げてくれる。
D.4.茶摘み 春の季語。「夏も近づく八十八夜」がヒント。

2015年10月28日水曜日

既刊と近刊

8月、こっそり、新刊が出ていました。

権田雅之深山直子山野博哉[編] 『久米島の人と自然』築地書館
久米島はこんな

11月26日、こんな本が出ます。
佐藤卓己[編]『青年と雑誌の黄金時代―若者はなぜそれを読んでいたのか』岩波書店
「10人が10誌を浮き彫りにする」とか。執筆者の一人が松永智子さん。担当雑誌は『百万人の英語』。

深山さん、松永さん、出版おめでとうございます。

2015年10月21日水曜日

LEDを使った身体表現、横浜にて公開&ワークショップ




ポスターできました!
(フル画像 作品コンセプト、予告、関係者すべて鮮明!→ http://rieko.jp/lab/wp-content/uploads/2013/09/ssd002-M.jpg )


ワークショップ中村座 News!

「光」をテーマにしたイベントに参加します!
 
横浜みなとみらい、象の鼻テラス前ステージにて

10月30日(金)~11月3日(祝・火) 夜
スマートイルミネーション・アワード/学校部門」

出展作品:『シェイク スピアズ ダイアログ』
―古武道から新たな身体表現へ 光る杖の軌跡―


●パフォーマンス 毎日夕方から、3回、20分
杖道演武+光る杖パフォーマンス+作品上映!

●ワークショップ   11月2日(月)、3日(火・祝)、夜
公開制作と撮影会

※詳しいタイムスケジュールは、現地スタッフまで(東経大の腕章つけてます!)


夜景が美しいです!
時おり、大さん橋に碇泊する豪華客船の汽笛がきこえます!
潮のかおり、海風がここちいいです。
ぜひ、おいでください!


2015年10月16日金曜日

10/31 桜井哲夫講演会

学園祭「葵祭」期間中、桜井哲夫先生の講演会が開かれます。
みなさんの参加をお待ちしています。

2015年10月31日(土)13:00-14:30 図書館
「戦後漫画の原像」
 新刊『廃墟の残響』について語ります。
※先着40名。申込みは不要です。
※終了後、フリートークと館内見学を行ないます(15:30終了)

秋の一日、緑の多いキャンパスにいらっしゃいませんか。
 対談
 書評


2015年10月8日木曜日

【学問のミカタ】ハロウィンパーティーに不満?

 数学・コンピュータサイエンス担当の阿部です.

 10月の学部コラボテーマは「ハロウィン」です.

 ここ数年,日本でもハロウィンが浸透してきたようです.これまでハロウィンといってもなかなかピンときませんでしたが,数年前からハロウィンと日本のコスプレ文化が融合したのでしょうか,週末になると若者がコスプレして渋谷に集まる風習が生まれたようです.

 先日も「○○の家でハロウィンパーティーやろうよー!何のコスプレしよーっかなー♪」と心躍らせている学生がいました.クリスマスやバレンタインなどに加え,またひとつ楽しいイベントが増えたようでよかったですね.

 ……あれ? いまケッと唾を吐き出した方,ハロウィンパーティーに不満ですか…….いや,その気持ちよくわかります!私もかつてはバレンタインなんてなくなってしまえと何度思ったことか.クリスマスイブの夜に吉野家で牛丼を食べる勇気と言ったらなかったです.それにハロウィンパーティーが加わるなんてもう嫌という気持ち,とても共感できます.

 リア充という言葉が以前流行しましたが,どうもこの世の中には,リア充はより充実し,一方で非リア充はますます満たされなくなる構造がこびりついているようです。これは問題です.早急に解決してほしい!

 ここで【朗報】学問は非リア充の味方!

 最近,情報技術を使ってリア充と非リア充の間にあるコミュニケーション格差を縮めようという研究が出てきました.例えば,栗原一貴氏(津田塾大学)の「SpeechJammer」(https://youtu.be/USDI3wnTZZg).

 「SpeechJammer」はマイクスピーカーの一種で,自分の話した声が少し遅れて自分の耳に届く機能を提供します.これ何の役に立つのでしょうか.おしゃべりなリア充の友だちに「SpeechJammer」を向けてみてください.すると聴覚遅延が発生し,友だちはおしゃべりを続けることができなくなってしまいます.栗原氏はこの「SpeechJammer」で2012年イグノーベル賞(Acoustics Prize)を受賞しました.

 冗談なのか本気なのかは置いておいて,こんなふうにとてもユニークな研究があることを知ってほしいと思います.学問の見方が少し変わったという方がいればうれしいです.

 情報技術は日々発展していて,その使い方には無限の可能性があります.コミュニケーション格差を縮めるために情報技術を応用することが今後のトレンドになってほしいと私は思っています.

 読者のみなさん,情報技術を使って非リア充でもコスプレしてハロウィンパーティーに違和感なく溶け込める道具のアイデアありませんか?イブの夜でも堂々と吉野家で牛丼が食べられる道具のアイデアありませんか?


 これまで、そしてこれからの執筆予定をお知らせします。
3月:川浦康至(卒業
4月:川浦康至(選挙
5月:松永智子(スポーツ
6月:中村理恵子(梅雨
7月:深山直子(
8月:遠藤愛(宿題
9月:関沢英彦(
10月:阿部弘樹(ハロウィン
11月:中村嗣郎
12月:渡辺潤
1月:桜井哲夫
2月:柴内康文
3月:西垣通

2015年10月6日火曜日

3Dプリンターを操るバイオアーティストがゲスト



●10月15日木曜日、「表現と批評」(4 & 5限)
ゲストにAKI INOMATAさんをお迎えします。

http://rieko.jp/lab/?p=8728

テーマは「生き物との恊働制作」

代表作、3Dプリンターを使ったアート『やどかりに「やど」をわたしてみる』シリーズ、愛犬チェロの体毛と自分の毛髪を長い時間かけて集めてそれぞれにケープに編んで交換するシリーズなど、生き物との付き合いの中から紡ぐ独特のアート作品を発表されています。

若手アーティストとして今、最も注目されているおひとりです。





2015年10月1日木曜日

学部開設20周年記念シンポジウム 12/12

コミュニケーション学部開設20周年記念シンポジウムのお誘い

 東京経済大学コミュニケーション学部は、「コミュニケーション」を冠した国内初の学部として1995年に開設され、今年20周年を迎えます。これを記念して、シンポジウム『コミュニケーションの現在とこれから」を開催いたします。

 学部開設はちょうどインターネットの普及がはじまったころにあたり、それから20年、コミュニケーションのありようは大きく形を変えてきました。本学部も2015年度から「メディア」「企業」「グローバル」の3コースに再編成、社会をつくり出す基盤としてコミュニケーションを捉え、考え、実践する体制を整えています。

 今回、『コミュニケーションの現在とこれから』をテーマに、メディアやコミュニケーションの最前線に立たれる3人の方をお招きしてお話をうかがい、コミュニケーション学の課題と未来を探る機会にしたいと考えています。

 シンポジウムは、本学の前身である大倉商業学校の創立者大倉喜八郎のモットー、「進一層」にちなんで名付けられた「進一層館」で開催されます。館内では常設展示の傍らに、今回は学部20年間の歩みもご覧いただけるようにする予定です。皆さまのご来場を心よりお待ちいたしております。

東京経済大学コミュニケーション学部長 川浦康至
記念シンポジウム実行委員長 柴内康文

日時:2015年12月12日(土)14:00〜17:30(13:30 受付開始)
場所:大倉喜八郎 進一層館Forward Hall(旧図書館)1階ホール
テーマ:『コミュニケーションの現在とこれから』(参加無料)
登壇者:ドミニク・チェンさん、藤村厚夫さん、荻野NAO之さん

▶︎参加申込

2015年9月18日金曜日

留学を応援します

グローバルキャリアプログラム(豪州)のご案内

 東経大には、5ヶ月間の海外研修プログラム、「グローバルキャリアプログラム」があります。行く先はオーストラリアか中国ですが、トケコミ学生ではオーストラリアが人気で毎年5名前後の学生が選抜されて研修に参加しています。

 熱心に取り組めば、研修後にTOEICでは670〜700点、そこからもうひと頑張りすれば卒業時に720〜750点というのがこれまでの学生の英語力の目安になります(もっと上の人もいます)。この程度まで達していれば新卒入社時に海外とやるとりする部署でもつとまりますので、さらに実地で力をつけていけます。特徴は以下です。

●研修先大学の授業料を大学が負担します
 大学が入学金、授業料、保険料など約120万円(昨年度の実績)を負担します。学生自身の負担額は76万円(同じく昨年度の実績)。個人負担の主な内訳は、教材費、往復航空運賃、滞在費(ホームステイ)、ビザ申請料です。

●休学不要、4年間で卒業できます
 研修先で取得した20単位が卒業要件に含まれるからです。

●現地での充実したサポートを用意しています
 現地事務所には日本語堪能なスタッフが常駐します。

●留学前後のフォローも万全です
 1年次から2年次前半まで事前学習、2年次の8月から12月まで海外研修、帰国後は事後学習。行き放しのプログラムではありません。4ヶ月半の語学研修を経て、最後2週間はインターンシップを行ないます。

 募集人員は全学部で20名。
 募集は1年次11月に行ないます。

 やや詳しい情報

2015年9月2日水曜日

『レジャー・スタディーズ』合評会のお知らせ

 7月に発行された『レジャー・スタディーズ』(世界思想社)の出版を期して、合評会を開きます。
 評者として以下の方々にお願いをしました。執筆者の多くも参加をします。
 今なぜ「レジャー」に注目する必要があるのか、活発な議論を展開していただきたいと思います。このテーマに関心のある方の参加を歓迎いたします。
(渡辺潤)

 日時:9月12日(土)2:00p.m.〜5:00p.m.
 場所:東京経済大学 2号館 B206教室
 評者:浮田千枝子(帝京平成大学)、辰巳厚子(余暇ツーリズム学会)、今井祐之(東京藝術大学大学院)、川浦康至
散会後に大学近くで、簡単なパーティを予定しているようです。

2015年9月1日火曜日

【学問のミカタ】月は媒体(メディア)

9月の学部コラボテーマは「月」。

 今回は「広告論」担当の関沢英彦がお届けします。題して、「月は媒体」。

 テレビドラマの『恋仲(フジテレビ系列)は、高校時代、互いに初恋の人であったふたりが7年ぶりに再開するという物語でした。その2回目でしたか、ベランダの向こうの月を眺める男性主人公福士蒼汰の後ろ姿、続いて、自分のアパートから月を見つめる女性主人公本田翼というシーンがありました。

 おやおやと思いました。なんと古典的な、ということで。思いを寄せるふたりが、月を媒体にして、コミュニケーションをしているのです。「いまごろ、月を見ているかな。きっと見ているよ」と互いに感じる瞬間。恋するふたりには、そうしたシンクロニシティ(意味ある偶然の一致)があるのでしょう。

 1300年前も、月の姿は変わりません。万葉集第7巻には、「この月の ここに来たれば 今とかも 妹が出で立ち 待ちつつあるらむ」という歌があります。月の姿を見ながら、ああ、あなたも、外で月を見ながら、いまかいまかと、わたしの到着を待っているだろうな、というのですから、まさに月を仲立ちにして、ふたりの心は通じ合うのです。

 スマホで数分ごとに言葉をつらねても、気持ちがすれ違うこともある。久しくひとことも交わさないでいても、いま、あの人も満月を見ていると信じられてしまう。コミュニケーションとは、ふたりの間をつなぐ伝達経路よりも、その両端にいる人と人のありように左右されるのでしょうか。すっかり秋めいた夜にそんなことを思います。


 来月は阿部弘樹がお届けします。



2015年8月23日日曜日

トケコミQ&A

今年のオープンキャンパスがきょう無事おわりました。
お越しいただいたみなさまにお礼申し上げます。
限られた時間でしたので、十分説明できなかったことがらもあります。
それを補うべく、以前のブログ記事をご紹介します。参考になれば幸いです。

《Q&A その1
Q1 コミュニケーション学部ではどんな資格が取れますか

《Q&A その2
Q2 コミ部では(そもそも)どのような勉強ができるのか
Q3 企業コースがあるが、経営学部流通マーケティング学科との違いは
Q4 日芸とトケコミの違いは
Q5 制作系に興味がある、どんな勉強ができるのか
Q6 TV業界に行きたい

《Q&A その3
Q7 面接試験ではどんなことを聞かれるのですか

2015年8月22日土曜日

体験授業で配布しました

 きょうの体験授業《「メディア」からコミュニケーションを考えると》で配布した参考資料をかかげます。(柴内康文)

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 もし、今日の授業に出てきた話に関心を持ったら、以下のようなものを見るとよいと思います。

●コミュニケーション学部の学びの様子が知りたかったら
→学部のブログ「きょうもトケコミ」
 http://comtku.blogspot.jp/


●ブログに私が「TED講演から学ぶメディアとコミュニケーション」の記事を書きました
→「TEDでメディア・コミュニケーションの理解を深める」
 http://comtku.blogspot.jp/2014/07/ted.html
 ※メディアが人々を切り離してしまっているではないか、という問題については、この中の「イーライ・パリザー」の講演をおすすめします。

 ブログには、いくつかの授業の報告もあります

●いわば、身体をメディアとしたコミュニケーション、また授業で紹介したような映画作品を通じた学び
「身体表現ワークショップ」
 http://comtku.blogspot.jp/2015/08/blog-post.html
 ※古武道(杖道)による身体表現を学んでいます

「表現と批評」
 http://comtku.blogspot.jp/2015/07/2015.html
 ※たくさんの映画を紹介し、批評表現を学んでいます

●東経大コミ部では、さまざまなテーマの卒論を書いています。コミュニケーションの世界は、社会のあらゆるところにおよぶからです
「卒業制作・卒業論文」
 http://www.tku.ac.jp/department/communication/com-theses/


2015年8月20日木曜日

週末はオープンキャンパス

明後日と明々後日(しあさって)は、オープンキャンパス

体験授業
8/22
柴内康文
▶︎「メディア」からコミュニケーションを考えると
LINEとTwitter、私たちは直接会う以上に「メディア」を挟んでコミュニケーションしています。その機能や役割は、現代社会を理解するには欠かせません。そんなことを考えるスタートラインに立ちませんか。

8/23
小山健太
▶︎企業組織のコミュニケーション〜あなたのキャリアのためにも
企業組織の基本要素の一つはコミュニケーションです。日常的には「就"職"」と言いますが、日本企業の本質は異なります。あなた自身のキャリアのためにも、企業組織のコミュニケーションを理論的に考えてみましょう。

体験ゼミ
8/22
草野ハベル清子
▶︎コミュニケーション英語
少人数の英語コミュニケーションのクラスにおける第1日目のようすを再現します。

8/23
松永智子
▶︎「異文化×メディア」でゼミする方法
あなたの「なぜ?」を形にしよう。

スタッフ一同、お越しをお待ちしていまーす。


2015年8月17日月曜日

葵マスコミ会懇談会のお知らせ

テレビ、新聞、出版、広告、インターネット、……
と、マスコミ界で働いている東経大の先輩が後輩のために集まってくれます。気軽な雰囲気の立食形式で行なわれます。

会場の都合で先着60名までです。期限は10/5(土)。

10月15日(木)18時から
参加費500円。
問い合わせはキャリセンターまで。

「葵マスコミ会」懇談会は、コミュニケーションの仕事に就きたいと思っている東経大生にとって貴重な機会です。

昨年のようす

2015年8月7日金曜日

【学問のミカタ】宿題を見つける

8月の共通テーマは「宿題」。

「8月の宿題」っていうと、夏休みの宿題を連想しちゃいます。今回、このテーマを担当するのは、スポーツコーチングが専門の遠藤愛です。あともう一つの専門はテニスです。この「宿題」というテーマで私が思い起こすことを書いてみます。

 私は大学三年の4月にプロテニスプレーヤーになりました。といっても、プロになるためにテストを受けたわけでもなく、テニス協会に登録をしただけなのですが……(現在は、ランキング何位以上などの基準があります)。では、アマチュアからプロになって、何が変わったのかというと、「宿題」なのです。

 私は、アマチュアの時から競技に対する意識は高い方だったと思います。つまり、競技に打ち込む姿勢はできていた方だった。でも、やっぱりそれでもプロで通用するためには、さらにその意識を高める必要がありました。

 プロはその日行うトレーニングを最高のものにすること、その積み重ねが勝ちに繋がります。そのために体調を整えてトレーニングに臨まなくてはなりません。一日のトレーニングが終わると、翌日のトレーニング開始から逆算して生活します。何時に寝れば睡眠時間が十分取れるか、そのためにはいつ食事をすれば良いか、そのためには、……といった具合です。

 そして一日の始まりにすることは、朝起きて自分の体調を“みる”こと。

 睡眠は十分取れたか、食欲はどうか、疲労感はどの程度残っているかをみて、トレーニングを始めるまでの準備をどのようにするかを考え、実践する。体調が良いときは自分の食欲に従って栄養を取り、通常のアップを行います。疲労感が強ければ、食事で果物や野菜を少し増やし、炭水化物をゆっくりとります。もしトレーニング場所までの移動で休めるなら、もう一度軽く寝ることもあります。

 次にアップ(準備運動)です。

 私の場合は、いつもより時間をかけて走って体を起こし、動かざるを得ないほど激しい動きをあえて取り入れます。「体が起きていない」状態でトレーニングをすると怪我をしてしまうので、激しい動きを入れて無理矢理、体を動かします。体はいい状態の動きを覚えていて、頭ではいい状態での動きを理想として動いてしまう。そこに体がついていかず、怪我をする、調子を崩すという循環に陥ります。なので、常に心がけることは「その日のベスト」を目指すことです。そのためには自分を見つめ、その日の課題を見つけ、それをクリアしていかなくてはいけない。

 子どもの頃、アマチュアの頃は指導者の指摘を待ち、それを受けて実践していました。つまり「宿題」を出されるのを待っていた、ということです。でもプロで活躍するためには、「宿題」を自分で見つけること、さらにはその解決方法を自分で見出し、実行しなくては勝っていけないことに気づきました。こうした自己分析に優れていないないと、コーチングが原則禁止されているテニス競技において、天候、環境、自分の調子、相手の調子を見て戦術やプレーを変えてくるレベルの相手に太刀打ちできません。

 私は引退後、大学で教える道を選びました。以来、私が学生に求めていることは「自ら学ぶこと」です。私のゼミでは学生が自分でテーマを見つけ、研究ノートを書いていきます。自分の興味や素朴な疑問からテーマを設定し、それを調べていくのです。

 皆さんはテストを受けて、正解の数を競うことが多いと思います。でも世の中には正解のない問題がたくさんありますよね。自分の競技者生活を振り返っても、日々の体調によって異なる正解が引き出されること、昨日のやり方は今日必ずしも正解でないことが当たり前でした。大学では、明らかにしたいことを設定し、明らかにするために何をしていけば良いのか、つまり「宿題を自分で考えて実行すること」が求められる場でもあると思います。

 今年もゼミ生がテーマを決めました。「プロレスはスポーツなのか」「スポーツと人種」「小学校低学年生に対する陸上競技の指導方法」「プロ野球の16球団構想」などなど上がってきています。知る、学ぶ面白さを、身を持って体験していって欲しいのです。

 この夏、自分で宿題を見つけて、ちょっと取り組んでみませんか?
2013年度オープンキャンパスの遠藤先生の体験授業「プロスポーツの仕組み

2015年8月5日水曜日

古武道から新たな身体表現へ


 















暑中お見舞い申し上げます!【ワークショップ中村座】 にて制作

『シェイクスピアズダイアログ2015』 作品公開です。


 シェイク(振る)スピアズ(槍)ダイアログ(対話)は、四百年継承された古武道、杖道(じょうどう)に倣う創作システムです。光る杖を用い、対戦者同士の本気の(命がけの)対話を可視化します。
杖が描くしなやかに変化する光の繭は、絵(ライトペインティング)ではなく、対戦者の周りに現れる拡張された身体そのものです。

2015年7月30日木曜日

新刊『レジャー・スタディーズ』

渡辺 潤先生編集になる新刊は『レジャー・スタディーズ』。

同僚の光岡さんも分担執筆。

《もくじ》

 序 レジャー・スタディーズの必要性と可能性(渡辺 潤)
 ◆Part 1 余暇学からレジャー・スタディーズへ
1. 余暇(薗田碩哉)
2. 遊び(井上 俊)
3. ライフスタイル(渡辺 潤)
4. 仕事(三浦倫正)
5. カルチュラル・スタディーズ(小澤考人)
 ◆Part 2 レジャーの歴史と現在
6. 娯楽と教養(加藤裕康)
7. ツーリズム(増淵敏之) 
8. 音楽(宮入恭平)
9. ショッピング(佐藤生実)
10. スポーツ(浜田幸絵)
 ◆Part 3 レジャーの諸相
11. ライフサイクル(盛田 茂)
12. 食(山中雅大)
13. 映画とテレビ(盛田 茂・加藤裕康)
14. ミュージアム(光岡寿郎)
15. ギャンブルとセックス(岸 善樹)

いまこそレジャー、いまこそ余暇。

2015年7月26日日曜日

「表現と批評−映画を批評する」映画投票

2015年度「表現と批評」が終わりました。
授業で紹介した映画のベスト3を受講生に投票してもらいました。
その結果を発表します。

 まず単純に1位に投票された数だけで順位をつけてみます(投票総数188票)。

1. ジェームズ・キャメロン監督「ターミネーター2 特別編」(1993)  29票
2. 新海誠監督「言の葉の庭」(2013)  26票
3. 今敏監督「東京ゴッドファーザーズ」(2003)  23票
4. 内田けんじ監督・脚本「運命じゃない人」(2005)  19票
5. ジェームズ・キャメロン監督 「ターミネーター」(1984)  18票
6. クリント・イーストウッド監督「ジャージー・ボーイズ」(2014)  17票
7. アンドリュー・ラウ/アラン・マック監督「インファナル・アフェア」(2002)  15票
8. 本木克英監督「超高速!参勤交代」(2014)  14票
9. ウェス・アンダーソン監督・脚本「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014)  9票
10. 篠田正浩監督・山田太一脚本「少年時代」(1990) 5票
10. スティーヴン・スピルバーグ監督 「レイダース 失われたアーク」(1981) 5票
12. 押井守監督「機動警察パトレイバー 2」(1993) 4票
12. スコット・ヒックス監督「シャイン」(1996) 4票
14. 岡本喜八監督「日本のいちばん長い日」(1967) 0票

 ベスト3を選んでもらったので、これだけでは、本当の順位はわかりません。単なる多数決は実情をあらわしていないとして、最近話題のベストセラー、坂井豊貴(著)『多数決を疑う—社会的選択理論とは何か』(岩波新書) で紹介されている「ボルダ・ルール」に従ってみましょう。

 ボルダ・ルールとは選択肢に順位をつけさせ、1位なら3点、2位なら2点、3位なら1点と点数をあらかじめ定めておき、その総和が一番大きい選択肢を採用する方法です。

 1位3点、2位2点、3位1点とします。すると、以下のような順位になります。上位4位までは変わりませんが、5位以下に変動が生じて、「ジャージー・ボーイズ」が上に上がってます。面白いですね。

1. ジェームズ・キャメロン監督「ターミネーター 2 特別編」(1993) 148点
2. 新海誠監督「言の葉の庭」(2013) 132点 
3. 今敏監督「東京ゴッドファーザーズ」(2003) 129点 
4. 内田けんじ監督・脚本「運命じゃない人」(2005) 115点
5. クリント・イーストウッド監督「ジャージー・ボーイズ」(2014) 113点
6. ジェームズ・キャメロン監督 「ターミネーター」(1984) 108点
7. アンドリュー・ラウ/アラン・マック監督「インファナル・アフェア」(2002) 101点
8. 本木克英監督「超高速!参勤交代」(2014) 78点
9. ウェス・アンダーソン監督・脚本「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014) 63点
10. 篠田正浩監督・山田太一脚本「少年時代」(1990) 42点
11. スティーヴン・スピルバーグ監督 「レイダース 失われたアーク」(1981) 40点
12. スコット・ヒックス監督「シャイン」(1996) 24点
13. 押井守監督「機動警察パトレイバー  2」(1993) 20点
14. 岡本喜八監督「日本のいちばん長い日」(1967) 4点

「表現と批評」(桜井哲夫担当)2005年—2015年 上映作品リスト
 コミュニケーション学部の名物講義「表現と批評」は、学部創設時の1995年から続いてきた講義です。日本は不合理な映画興行システムのために入場料がバカ高い国です。欧米では1000円以下でロードショーを見ることができるのに、興行システムの歪みのため、学生が映画を見なくなってきた状況を憂えた教員たちが、大きなスクリーンで映画をみせよう、とこの講義を考えつきました。
 最初は、三人くらいの教員の分担でしたが、何年か後から桜井が、ずっと一貫して担当してきました。上映用のDVD、Blu-rayは、すべて桜井の私物です(1400本以上のDVD、Blu-ray所有)。この講義は、毎回、上映した映像の批評文を提出させて成績評価をする講義です。毎回きちんと批評文を書いていれば、知らず知らずのうちに、文章表現力が身につきます。
 さて、あなたがたは、この10年間の映画(2006年度は、研究休暇のためお休み)をどのくらい知っていますか? 過去に見たことのある映画はありますか? 2回上映している映画もいくつかあります。さてどれでしょうか?

2005年
1 スクール・オブ・ロック(アメリカ、2003年) 
2 スウィングガールズ(日本、2004年)   
3 冒険者たち(フランス、1967年)
4 砂の器(日本、1974年)         
5 ガタカ(アメリカ、1997年)          
6 風の谷のナウシカ(日本、1984年)
7 用心棒(日本、1961年)      
8 モーターサイクル・ダイアリーズ(アメリカ=イギリス、2003年) 
9 薔薇の名前(フランス・西ドイツ・イタリア、1986年)
10 お熱いのがお好き(アメリカ、1959年)   
11 大いなる西部(アメリカ、1958年)       
12 霧の中の風景(ギリシャ=フランス、1988年)

2007年
1 ニッポン無責任野郎(日本、1962)
2 時をかける少女(日本アニメ、2006)
3 炎のランナー(英国、1981)
4 父親たちの星条旗(米国、2006)
5 硫黄島からの手紙(米国、2006)
6 ゆれる(日本、2006)
7 太陽がいっぱい(フランス、1960)
8 青春デンデケデケデケ(日本、1992)
9 リトル・ダンサー(英国、2000)
10 ジャッカルの日(米国、1973)
11 ニュー・シネマ・パラダイス(イタリア、1989)
12 麦秋(日本、1951)

2008年
押井守の世界
1 「うる星やつら 2 ビューティフル・ドリーマー」1984年
2 機動警察パトレイバー the Movie 1989年
3 機動警察パトレイバー 2  the Movie 1993年
4 攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL 1995年                                  
5 イノセンスINNOCENCE 2004年
6 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX The Laughing Man 2005年                            
7 攻殻機動隊    STAND ALONE COMPLEX Individual Eleven    2006年 
8 人狼  JIN-ROH 2000年
9 アヴァロン  AVALON 2001年
10 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序』(庵野秀明監督、2007年)
11 「鉄コン筋クリート」(マイケル・アリアス監督 原作:松本大洋、2006)

2009年
1 アフタースクール(日本、2008年)
2 それでもぼくはやってない(日本、2007年)
3 AKIRA(日本、1988年)
4 たそがれ清兵衛(日本、2002年)
5 少年時代(日本、1990年)
6 ハッピーフライト(日本、2008年)
7 がんばっていきまっしょい(日本、1998年)
8 のど自慢(日本、1998年)
9 キッズ・リターン(日本、1996年)
10 天空の城ラピュタ(日本、1986年)
11 雪に願うこと(日本、2006年)
12 ALWAYS 三丁目の夕日(日本、2005年)

2010年
1 新海誠の世界「ほしのこえ」(2002年)「秒速5センチメートル」(2007年)
2 「ディア・ドクター」(日本、2009年) 
3 「グッド・ウィル・ハンティング」(米国、1997年) 
4 「ショーシャンクの空に」(米国、1994年)
5 「サマーウォーズ」(日本アニメ、2009年)
6 「北京ヴァイオリン」(中国、2002年)
7 「グラン・トリノ 」(米国、2008年)
8 「ほくらはみんな生きている」(日本、1992年)
9 「遠い空の向こうに」(米国、1999年)
10 「さよなら子供たち」(フランス、1987年)
11 「ザ・コミットメンツ」(アイルランド・英国、1991年)
12 「トキワ荘の青春」(日本、1996年)
13 「遙《はる》かなる山の呼び声」(日本、1980年)

2011年
1960年代の映画を読み解く
1. A HARD DAY’S NIGHT(英国、1964年)
2. 地下鉄のザジ(フランス、1960年)
3. 乾いた花(日本、1964年)
4. メリー・ポピンズ(米国、1964年)
5. 冒険者たち(フランス、1967年)
6. 天国と地獄(日本、1963年)
7. 卒業(米国、1967年)
8. 「男と女」(フランス、1966年)
9. 砂の女(日本、1964年)
10. ロシュフォールの恋人たち(フランス、1967年)
11. 明日に向って撃て(米国、1969年)
12. サウンド・オブ・ミュージック(米国、1965年)

2012年 
日本アニメ史の試み
1. 『白蛇伝(はくじゃでん)』 (1958年)
2. 『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968年)
3. 『銀河鉄道999 (The Galaxy Express 999)』(1979年)
4. 『ルパン三世  カリオストロの城』(1979年)
5. 『風の谷のナウシカ』(1984年)
6. 『AKIRA』(1988年)
7. 『機動警察パトレイバー 2』(1993年)
8. 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序』(2007年)
9. 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(2009年)
10. 『千年女優』(2002年)
11. 『秒速5センチメートル』(2007年)
12. 『時をかける少女』(2006年)
13. 『東のエデン 総集編Air communication』(2009年)
14. 『となりのトトロ』(1988年)

2013年
1. 塩田明彦「どこまでもいこう」(1999)   
2. 吉田大八「桐島、部活やめるってよ」(2012) スピンオフ短編「宮部実果」
3. 庵野秀明「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」(2012) 「巨神兵、東京に現わる」   
4. 細田守「おおかみこどもの雨と雪」(2012)
5. ブライアン・ヘルゲランド「ロック・ユー! 」(米国、2001)            
6. ジャコ・ヴァン・ドルマル「トト・ザ・ヒーロー」(ベルギー・仏・独合作1991)
7. 山下敦弘「天然コケッコー」(2007)       
8. マイケル・アリアス 原作:松本大洋「鉄コン筋クリート」(2006)
9. エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ「最強のふたり」(フランス2011)     
10. ロマン・ポランスキー「ゴーストライター」(仏・独・英、合作2010)、
11.新海誠「言の葉の庭」(2013)       
12.沖浦啓之「人狼」(2000、原作・脚本:押井守)
13.小津安二郎「東京物語(ニューデジタルリマスター版、2013)」(1953)        
14. ミロス・フォアマン「アマデウス(完全版)」(米国、1984、Blu-ray完全版、2013)

2014年
1.「SHORT PEACE」(日本、大友克洋ほか,2013)
2.「ミッドナイト・イン・パリ」(米国、2013)
3.「ミラーズ・クロッシング」(米国、1990年)      
4.「魔法少女まどか☆マギカ(前編)」(日本、2012年)
5.「魔法少女まどか☆マギカ(後編)」(日本、2012年) 
6.「魔法少女まどか☆マギカ 新編」(日本、2013年)
7.「ピンポン」 (日本、2002年)    
8.「海の上のピアニスト」(イタリア、米国、1999年)   
9.「雨に唄えば」(60周年デジタルマスター版、米国、1952年)
10.「ダイ・ハード」(米国、1988年)  
11.「鍵泥棒のメソッド」(日本、2012年)   
12.「イル・ポスティーノ」(イタリア、1994年)

2015年
1.「運命じゃない人」(日本、2005年)
2.「ジャージー・ボーイズ」(米国、2014年)
3.「機動警察パトレイバー 2」(日本、1993年)
4.「グランド・ブダペスト・ホテル」(英国・ドイツ合作、2014年)
5.「超高速!参勤交代」(日本、2014年)
6.「ターミネーター」(米国、1984年)
7.「ターミネーター 2 特別編」(米国、1993年)
8.「少年時代」(日本、1990年)
9.「レイダース 失われたアーク」(米国、1981年)
10.「シャイン」(オーストラリア、1996年)
11.「東京ゴッドファーザーズ」(日本、2003年)
12.「言の葉の庭」(日本、2013年)
13.「インファナル・アフェア」(香港、2002年)
14.「日本のいちばん長い日」(日本、1967年)
桜井哲夫

2015年7月25日土曜日

オープンキャンパスでゼミ体験

いよいよ明後日に迫ったオープンキャンパス初日。
今年度から、ゼミ体験が加わりました。

タイトルは「学生によるゼミ発表会」。
スケジュールをお知らせします。

7/26 大榎淳(6号館地下1階メディア工房)
 ▶︎表現研究−メディアアート ゼミ展「Media Garden」をふりかえる。すぐわかる表現研究ゼミのヒミツ

8/22 草野ハベル清子(5号館2階E201)
 ▶︎コミュニケーション英語 少人数の英語コミュニケーションのクラスにおける第1日目のようすを再現

8/23 松永智子(5号館2階E201)
 ▶︎「異文化×メディア」でゼミする方法 あなたの「なぜ?」を形にしよう

時間は13:20 〜 14:00です。

2015年7月24日金曜日

電子版『コミュニケーションという考えかた』

 このたび、学部開設20年を記念して、『コミュニケーションという考えかた』を発刊しました。

 学部開設当時の苦労されたこと、インターンシップなど新しい試みへの挑戦、学部独自の制度といった20年を振り返るセクションと、コミュニケーション「学」の動向にふれたセクションの2部からなっています。

 そのPDFファイルを図書館のリポジトリに登録しました。
http://repository.tku.ac.jp/dspace/handle/11150/9200
青箱内の「book01.pdf」か、「見る/開く」をクリックすれば見られます。

 表紙を飾る写真は、あやとりで作った「橋」です。協力してくれたのは学部関係者、教職員、卒業生。

目次をご紹介しましょう。

 まえがき 川浦康至

 I コミュニケーション学部のいま
コミュニケーションという意志 川浦康至
トケコミにトケコムということ 佐々木裕一

 II コミュニケーション学部の20年
鼎談 コミュニケーション学部の開設を巡って 田村紀雄×浜野隆典×三上卓也
コミュニケーション学部開設と総合大学化 富塚文太郎
なぜコミュニケーション学部か 田村紀雄
コミュニケーション教育とコンピュータ 安藤明之
メディア工房とコミュニケーション教育 桜井哲夫
身体表現ワークショップ 大榎 淳
ゼミにおける新たな試み 深山直子
ゼミと卒論 渡辺 潤
コミュニケーション学と地域研究 山田晴通
コミュニケーション学部と留学生 中村嗣郎
仕事は、コミュニケーションで動く 関沢英彦
コミュニケーション学部学生表彰制度 池宮正才
データから見るコミュニケーション学部生 北山 聡

 III コミュニケーション学の課題
PR・広報 猪狩誠也
コミュニケーション学と新聞学 有山輝雄
コミュニケーション研究とアメリカ 長谷川倫子
緊急時の情報生産とコミュニケーション 吉井博明
コミュニケーション学をめぐる雑感 西垣 通
国際コミュニケーションの歴史から今を見つめる 松永智子
「メディア効果研究」の今後をめぐって 柴内康文
社会調査とメディア・コミュニケーション研究 北村 智
コミュニケーションの「モノモノ」しさ 光岡寿郎
組織コミュニケーションとしての人事メカニズム 小山健太
スポーツコーチングの現場におけるコミュニケーションのあり方 遠藤 愛
アイで広がる世界とコミュニケーション 阿部弘樹
ネオリベラリズム状況下でのカルチュラル・スタディーズの課題 本橋哲也

 資料
1 コミュニケーション学部の理念、目的、教育目標
2 コミュニケーション学部の三方針
3 コミュニケーション学部教員一覧
4 コミュニケーション学部関連年表

 著者紹介

 あとがき 渡辺 潤

2015年7月22日水曜日

【学問のミカタ】あなたの海と、私の海と。

7月の共通テーマは、海。

今回は「文化人類学」担当、東京生まれ育ちの深山直子がお届けします。

 つい先日、関東地方は梅雨明けをした模様です、夏本番、ついに到来ですね!昨日の「海の日」はお天気に恵まれたので、海に出かけたという人もいらっしゃるのではないでしょうか。かくいう私も、暑い暑いと言いながら夏の海は大好きです。

 私が文化人類学者として調査研究を行っている地域の一つに、沖縄があります。普段はもちろん大学にいなくてはなりませんから、おのずと学生の夏季休暇中に、調査のため沖縄を訪れることが多くなります。羽田から飛び立った飛行機が沖縄上空に辿り着き下降し始めると、太陽に照らされた白い砂浜、エメラルドグリーンと真っ青のツートーンからなる海が目に飛び込んできます。何度繰り返しても飽きることのなく、胸が高鳴る瞬間です。


▲石垣島の丘から海を眺める住民。かれらのみている海と私のみている海は、同じかな?(撮影者:深山)

 文化人類学の調査というのは、必ずしもスムーズに進むわけではなく、むしろ無駄足や無為に過ぎる時間が多い方がふつうですが、そんなときでも沖縄ならば、浜辺を散歩したり水平線を眺めたりして心を落ち着けることができます。そこでつくづく、美しい海がすぐそこにある地元住民のみなさんを羨ましく思ってきました。

 これまで沖縄を対象としていくつかのテーマに関心を持ってきましたが、最近では石垣島を拠点に、サンゴ礁(サンゴがつくりだした海と陸にまたがる地形)と地元住民の暮らしの関係性を明らかにすることを目的とした調査に参加しました。いろいろな住民にお話を聞くなかで、これまで少なくとも沖縄では当たり前だと思っていた、「身近な海」「美しい海」という捉え方が、実は当たり前ではないのかもしれない、と気付くようになりました。

 例えば、先祖代々石垣島に住んでいらっしゃる女性は、子供のころ基本的に「海には入ってはいけない」と言われて育ち、内緒で友だちと泳ぎに行った際には、親にたいそう叱られたそうです。特に、法事やハーリー(爬龍船競漕大会/海神祭)の後に海に入ることは、「死んだ人がさらいにくる」からと、強く禁じられたと言います。似たような話は、沖縄の別の地域でも聞いたことがありますし、また海の近くに住んでいながら、海水に浸かるという経験がほとんどないという人にもしばしば会います。かれらは共通して、海に対して畏怖の感情を持っているようです。この背景には、沖縄に広く伝わる、海の向こうには神がすまう「ニライ・カナイ」という他界があるという思想、さらに死者の魂が向かう「グショー」という他界があるという思想の存在が指摘できそうです。

 あるいは、沖縄本島の糸満という、伝統的に漁業が盛んな地域の出身者を祖先にもつ男性は、石垣島での漁業について説明する際に、サンゴが外海に続く航路をいかに阻み、それを除去することにどれだけ苦労したかという話を、熱心に聞かせてくれました。そして、かつてはサンゴ豊かな海が美しいなどと思ったことはなかったが、近年になってよそから訪れる人たちが盛んにそう言うので、そういうものかなと考えるようになった、と教えてくれました。海を生業の場とする住民にとって、海は愛でる対象ではなく、さらに私たちには最大の特長に映る海中のサンゴを厄介に感じることもあるという話は、なかなかに衝撃的でした。

 もちろん、石垣島をはじめとする沖縄にも、海辺に頻繁に足を運んだり、その美しさに日々心洗われたりする住民の方も大勢いらっしゃるでしょう。しかしながら、海はかれらにとって、日常の景観の一部をなしているがゆえに、多様な意味を持つ空間になっています。したがって、上記のお二人のように、あるひとびとの目に海は、「身近な海」「美しい海」とは映らないのです。

 あなたの海は、私の海とは異なるかもしれない。私の持っている「海」観は当たり前でもなんでもなく、無数ある内のひとつに過ぎない。このような考え方は文化人類学において、コミュニケーション、とりわけ異文化間のコミュニケーションの際に、重要な前提として位置付けられています。

 みなさん、どうぞ素敵な夏をお送りください!

2015年7月16日木曜日

身体表現 「生命体の外殻としての服ワークショップ 紙トワル制作」



【勝負服2015@ワークショップ中村座】ファッションデザイナー&ウェディングドレスデザイナーの松居エリさんをゲスト講師に迎えた2年目。新たなワークショップを仕掛けていただきました。

スタジオには、100人の女性たちのデータを基に創りあげたというパターンが持ち込まれて、まさにプロの制作現場がそのまま出前されてのワークショップになりました。 

 メンバー全員真剣勝負。実作業を7分にタイムラプスしたムービー必見、ちょっとコミカルですが。





[*]トワルとは、服の製品化の過程の一つで、パターンメイキングの過程で行われる、デザイン及びシルエット確認の為の、もっとも初期段階で行われる立体化の事。( ファッション・デザイン用語